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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【実践PR講座 その21】PRの効果を数値で測る方法 〜WEB広告との連携による評価手法〜

前回までの2回にわたり、PRの効果を数値で評価する方法について考察しました。PRの効果を正確に数値化するのは難しいものの、だからといって評価をしなくてよいわけではありません。では、具体的にどのように数値評価をすればよいのでしょうか?


PR会社の立場からすると、テレビで紹介されたこと自体がクライアントに喜ばれるため、それだけで十分と思われることもあります。しかし、実際にはテレビで取り上げられたからといって必ずしも売上や業績に結びつくとは限りません。そのため、PR活動の効果を測るための明確な指標が必要になります。


私が推奨するのは、メディアPR単体で評価するのではなく、WEB広告と組み合わせて効果を測定する方法です。WEB広告はWEBサイトへの誘導を目的としているため、メディアPRを実施した際にクリック率が向上したり、コンバージョンが増加したりすることが期待できます。そこで、PRを実施していないときのデータと比較することで、その効果を数値的に検証することが可能になります。


さらに、WEB広告はターゲットを絞って配信されるため、PRによって記事で紹介した内容がターゲットの関心と一致すれば、より高い反応が得られる可能性があります。例えば、PR実施前後でWEBサイトのアクセス数が増加した、コンバージョン率が上がった、広告のクリック率が向上したなどのデータを比較することで、PRの影響を客観的に評価できます。


PRの効果を単独で測るのは難しく、売上への貢献度を明確にしたいという企業側の要望を考慮すると、何らかの基準を設けて評価することが重要です。特に、現代のマーケティングではWEBの活用が一般的になっており、数値データが可視化されやすいことから、WEBサイトの指標を活用するのが最も分かりやすい方法といえます。紙媒体やテレビは、それ単体では数値評価が難しいため、WEB上のアクセスデータやコンバージョンと組み合わせたPR評価が、現在のトレンドになってきています。


メディアPRの効果を数値で評価するのは簡単ではありませんが、WEB広告などのデジタルマーケティングと連携することで、より明確な評価が可能になります。最終的には、売上向上などの具体的な成果につなげていくことが重要です。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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