美術館のPRを担当していると、周りから「美術に詳しいんでしょう?」と聞かれることがよくあります。でも、実を言うと、この仕事を始める前は美術にほとんど興味がなく、知識もほぼゼロでした。今では一般の方よりは少し詳しいかもしれませんが、美術業界の専門家と比べるとまだまだです。
それでも、PRは問題なくできています。なぜなら、PRとは「知られていないことを人々に知ってもらう活動」だからです。実際、知らないからこそPRがうまくいくことも多いのです。
例えば、中途半端な知識や知ったかぶりをすると、かえってPRがうまくいかないことがあります。でも、知らないからこそ「どうしてみんなが興味を持つんだろう?」「この作品の魅力は何だろう?」といった疑問を持つことができ、そこから面白いPRのアイデアが生まれるのです。
PRを依頼する人が、「多くの人に知ってもらいたい」「使ってもらいたい」と思うなら、知らない人にこそPRをお願いすべきです。その方が、一般の人々の視点に近いので、共感を得やすいのです。
もちろん、最低限の知識がないと魅力を伝えることは難しいので、そのバランスは難しいところです。しかし、このコラムは私の知識不足の言い訳ではありませんので、どうぞご理解くださいね(笑)。
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