top of page

無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【実践PR講座 その23】PRはターゲット次第!効果的な伝え方のポイント

執筆者の写真: 徳夫 橘川徳夫 橘川

更新日:6 日前

これまで「実践PR講座」と題して、最新のPR事情を踏まえた実践的なPR戦略についてお話ししてきました。この講座もいよいよまとめの段階に入ります。今回は、これまでの内容を踏まえながら、どのようにPR戦略を考えるべきかについて整理したいと思います。


PRの戦略を考える際、私は「5W1H」の視点が重要だと考えています。特に、PR活動を行う際に最初に考えるべきことは、「誰に」「何を」「なぜ」伝えるのかという点です。

私はPRを「知らないことを、知らない人に伝えること」と定義しています。そのため、

  • What(何を):ターゲットが知らない情報は何か?

  • Who(誰が):その情報を知らないのは誰か?

  • Why(なぜ):なぜその情報を知らないのか?

この3つの要素を整理することが、PR戦略の土台になります。


PR会社がアドバイスや提案をすることはできますが、最終的には発信側が「誰に何を伝えたいのか」を明確にしなければなりません。「多くの人に、できるだけ多くの情報を届けたい」という相談を受けることもありますが、ターゲットや伝える内容を絞らないと効果的なPRにはなりません。


ただし、「一つの話題だけに絞る必要はない」という点も重要です。インターネットが普及する以前は、一つの話題を広く伝えることが主流でしたが、現在はターゲットを細かくセグメント化し、それぞれに適した内容を伝えることが可能になっています。


例えば、野球をテーマに考えてみましょう。

ドジャースの大谷翔平選手がメジャーリーグで活躍していることは広く知られていますが、野球のルールを知らない人は多くいます。また、日本のプロ野球ファンでも、メジャーリーグには興味がない人もいます。このように、「何を知らないか」は人によって異なります。


では、なぜターゲットはその情報を知らないのでしょうか?

  • 子供の場合 → そもそも野球をしたことがないから、ルールを知らない。 → 解決策:選手が直接指導する少年野球教室を開催する。

  • 女性の場合 → 野球場に行ったことがなく、観戦の魅力を知らない。 → 解決策:球場内にネイルサロンを設置し、楽しみながら観戦できる環境を作る。

  • 特定のチームのファンではない人 → 強いチームに興味があるが、特に応援しているチームがない。 → 解決策:選手補強やチームの躍進をアピールする。


このように、一つのテーマに対して異なるターゲットごとにPR戦略を立てることが、現代のPRにおいて重要な視点となります。

次回は、3つの要素の中でも特に「Why(なぜ)」に焦点を当て、さらに深掘りしていきます。

最新記事

すべて表示

Komentarze


著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

bottom of page