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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

執筆者の写真橘川 徳夫

【実践PR講座 その4】ターゲットの変化 性別・年齢の特徴はあるの?

更新日:10月10日

これまで、インターネットの普及により消費者行動の変化についてお話してきましたが、今回は、それに伴ってターゲット層に変化がみられてきたことについてお話ししたいと思います。


PRを進める上で、ターゲット層の選定が非常に重要であることは、これまでのPR講座でも繰り返しお伝えしてきました。



かつては、上の表に示すように、年齢や性別を基準にしたターゲット層が設定されていました。そのターゲット層に対して、どのようにアプローチするかがPR戦略の課題でした。


例えば、若い女性向けの化粧品を販売する場合、F1層向けのメディアを選び、そこで人気タレントを起用したCMを制作するのが一般的なPR戦略でした。


現在でも、この考え方が完全になくなったわけではありませんが、実際には年齢や性別で一括りにしたターゲット設定では、PRがうまくいかないケースが増えています。これは、多様性が重視される現代において、好みや価値観を年齢や性別でひとまとめにすることが適切でない場合があるからです。


例えば、私が小学生だった頃は、男の子は黒のランドセル、女の子は赤のランドセルを持つのが一般的でした。しかし、現在の小学生は、様々な色のランドセルを選ぶことが当たり前となり、男の子がピンク、女の子が青のランドセルを選ぶことも普通になりました。


もちろん、年齢を基準としたターゲット設定が今でも有効な場合もあります。例えば、アンパンマンのおもちゃは幼児に喜ばれますが、小学生にプレゼントすると不評を買うかもしれません。


しかし一方で、若い世代でも昭和の歌謡曲が好きな人がいたり、60代でもアイドルの追っかけをしている人がいたりします。また、スポーツが嫌いな子供もいれば、60歳を過ぎてもスポーツを続ける人もいます。


さらに、年齢や性別でターゲットを括ると、差別的だと非難されるリスクもあります。PRを進める上で、年齢層や性別を考慮することは依然として重要ですが、ターゲットが明確でない場合、その層に向けてPRを行っても、関心を持たれない可能性が高いです。


特に、若年層をターゲットとしたPRのアプローチは、現代では難しい局面にあると言えます。この点については、次回以降でさらに詳しくお話ししていきます。

 

 

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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