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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

執筆者の写真橘川 徳夫

【実践PR講座 その8】「262の法則」で見極める!関心の薄い層への効果的なPRアプローチとは?

これまでのブログでは、若者の「推し活」やインターネットの仕組みによって、興味のある情報しか伝わりにくい現状についてお話ししてきました。今回は、関心が薄い層にどのようにアプローチできるのか、私の考えをお伝えします。


マーケティングの世界では、すべての消費者が自社の製品やサービスに興味を持っているわけではありません。むしろ、多くの消費者は「興味がある」「どちらでもない」「全く興味がない」という3つのグループに分類されます。これを考える上で役立つのが「262の法則」です。


262の法則とは?


この法則は、組織やビジネスでよく使われる概念で、全体の20%が非常に高い成果を上げ、60%が平均的な成果、残りの20%があまり成果を上げないという考え方です。この理論をマーケティングに応用すると、消費者も以下の3つに分けられます。


  1. 20%の興味がある人: 商品やサービスに強い関心があり、購入意欲が高い。

  2. 60%のどちらでもない人: 現時点では特に興味はないが、きっかけ次第で関心を持つ可能性がある。

  3. 20%の全く興味がない人: どんなアプローチをしても関心を持たず、購入には至らない。


各グループへのアプローチ方法


1. 興味がある20%の人

製品やサービスに対して既に興味を持っているこの層には、基本的なPR施策を実施すれば情報は届きます。インターネット広告を中心に、いくつかの基本的なPR手法を実施すれば、確実にリーチすることができるでしょう。


2. 全く興味がない20%の人

この層は「知らないから興味がない」場合も多いので、まずは認知を広げることが重要です。マス広告や有名人を使ったイベントなどで幅広く知らせる方法が考えられます。ただし、この層には「知っていても興味がない」という人も含まれるため、リソースを割く前にアプローチする価値があるかどうかを慎重に検討すべきです。多額の費用をかけても効果が出ないリスクがあるからです。


3. どちらでもない60%の人

この層へのアプローチが、PRの成功の鍵を握ります。興味が薄いながらも、何かきっかけがあれば関心を持つ可能性があります。私はこの60%をさらに3つに分けて考えることを提案します。


  • 20%: 今まで機会がなく興味を持たなかったが、チャンスがあれば関心を持つ可能性が高い層。

  • 60%: 機会があれば試してみたいという層。

  • 20%: 機会があっても関心を持つかどうかわからない層。


効果的なPR戦略のポイント


この考え方を活用すれば、元々興味のあった20%に加え、次の60%のうちの80%(=全体の48%)にあたる層まで確実にリーチできる可能性が高まります。つまり、20%+48%で、全体の68%、約3分の2にアプローチできることになり、マーケティング戦略としては十分な成果が期待できるでしょう。


具体的なPR戦略としては、これまでのPR講座でお話しした内容に基づき、ターゲットとなる60%をどのように引き込むかを考えていけば良いと思います。次回は、この60%に向けたアプローチのヒントをさらに深堀りしてお伝えしたいと思います。

 

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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