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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

執筆者の写真橘川 徳夫

【PR講座 第30回】企業のSNS活用法:個人と企業のバランスを考える

今回は、SNSアカウントの活用方法についてお伝えしたいと思います。


SNSはもともと個人同士がネットを通じて情報を交換するためのツールとして始まりました。それが進化して、仲間づくりや情報共有の場となりました。そのため、SNSでは個人が発信する情報が中心となっています。


フォローするアカウントも、顔が見える(つまり、どんな人かがわかる)人を選ぶ傾向があります。この人の考え方に共感できる、好きだと思う、といった理由でフォローするのです。


ですから、フォロワー数が多いのは芸能人など有名人がほとんどです。一方で、企業アカウントでフォロワー数が多いのは、世界的な企業や特定のファンがいる企業と想像できます。


つまり、SNSの情報を読むかどうかを決めるのは個人の判断に委ねられているわけです。そのため、発信する情報はフォロワーの興味を引き、共感や反発を呼び起こす内容である必要があります。「私もそう思っていた」と感じてもらえる内容が、拡散されやすいのです。


SNSの本質は、個人同士のつながりやコミュニケーションの場ではありますが、それでも、企業がSNS対策をしないわけにはいきません。SNSからの情報は、特に若者にとって重要な情報源となっているからです。若い人たちはGoogleなどを使ってWeb検索を行いません。X(旧Twitter)やInstagram、TikTokといったSNSで情報を探して情報を得ているのです。もし自社の情報がこれらのSNS内に存在しなければ、ユーザーに情報が届くことはありません。


そのため、企業はSNS上にアカウントを作成し、Webサイトと同様に自社の情報を発信していく必要があります。企業イメージを守りつつ、興味を引くような投稿をすることが理想ですが、なれないうちは、最低限ポータル的な役割を果たすアカウントとして運用してみるのが無難かもしれません。


SNS内のテキスト情報を探すための「ハッシュタグ」も忘れずに活用しましょう。最適なキーワードを配置することで、自社の情報がSNS上共有されやすくなれば、SNS検索を通じて自社のWebサイトへの訪問につながる可能性が高まります。


フォロワー数を目標にすることは良いですが、ユーザーからの反応を過度に意識するあまり、企業イメージを損なうような内容を投稿してしまっては本末転倒です。そのため、フォロワー数は目安程度に考え、発信したい情報を大切にするべきでしょう。また、アカウントを開設する際には、運用方法(フォローする基準やリポストの方針など)を決めておくことが重要です。まずは、自分たちの決めた情報を適切にタイミングよく発信していくことが心がけてみてください。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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