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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【実践PR講座 その18】地方で成功するPR戦略―地元メディアとの効果的なつながり方

前回、主要メディアの拠点が東京になるため、東京を拠点としてPRが中心となっているということをお話ししました。今回は、地方でできるPRの方法についてお話ししたいと思います。


全国展開をしていない企業にとって、全国的な知名度よりも地元での認知度を高めることが重要です。自社の商品やサービスを地域の人々に知ってもらい、それが売上につながれば成功といえます。そのためには、地元の新聞やテレビ、ラジオといった地域メディアにアプローチすることが鍵となります。


地域メディアへのアプローチ方法

1. 新聞・テレビ局への連絡 地域の新聞やテレビ局の数は東京に比べて少ないため、連絡先を調べるのは比較的簡単です。また、全国紙の地方支局にリリースを送ることで、運が良ければ全国版に掲載される可能性もあります。


2. 記者クラブを活用する 各都道府県には記者クラブがあり、主要なメディアが所属しています。記者クラブにプレスリリースを渡せば、多くの主要メディアに情報を届けることができます。ただし、記者クラブごとにリリースの受付方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。


3. 市役所や町役場の広報窓口 地域限定の情報を発信したい場合は、市役所や町役場の広報課を活用するのも効果的です。広報課が地元の記者クラブやメディアとつながっている場合が多いので、まず相談してみましょう。


4. タウン誌やフリーペーパー 地域で配布されているタウン誌やフリーペーパーは、地元の新店舗オープンなどを無料で紹介してくれる場合があります。日頃からこれらの媒体をチェックし、連絡先を把握しておくとよいでしょう。地域特有の情報を発信するウェブメディアも同様に有効です。


地方ではメディアの数が少ない分、地道にアプローチして関係を築くことで、継続的なPR活動が可能になります。特に中小企業や個人事業主にとっては、地元メディアとの良好な関係が大きな力となります。


反対に、東京に近い神奈川、千葉、埼玉などの地域では、中央メディアへの情報が多く集まるため、地域情報が埋もれてしまいがちです。そのため、地方でのPR方法を参考に、地元メディアに焦点を当てた戦略を立てることが必要です。


例えば、芸能人を招いたイベントが銀座と千葉で同日に開催される場合、地元での開催の方が取材される可能性が高まります。このように、地元メディアを積極的に活用する視点を持つことが重要です。


地方PRでは、地域のメディアに焦点を絞り、地道に関係を築くことが成功の鍵です。また、東京近郊地域でPRを行う際も、地方でのやり方を参考に地元メディアを活用することが効果的です。適切なアプローチで地域に根ざしたPR活動を展開してみましょう。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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