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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

執筆者の写真橘川 徳夫

【PRコラム】PR会社の社長として文春砲に思うこと

週刊文春をはじめとする週刊誌がスクープを報じると、テレビのワイドショーやSNSはその話題で一色になります。記者や週刊誌にとっては「やったぞ!」という気持ちでしょうが、当事者である政治家や芸能人にとっては、大迷惑な話です。

幸いにも、私は著名人ではなく零細企業の一社長ですから、スクープされる心配はほとんどありません(笑)。


もちろん、文春に取り上げられるような不倫や汚職など、世間的に問題のある行為をした人を擁護する気はありません。ただ、そうした人々を一斉に非難する風潮には、少し疑問を感じることもあります。


たとえば、不倫をした人が家族に謝罪し、反省しているのであれば、その問題はあくまで家庭内の問題です。第三者がとやかく言うべきではないのではないでしょうか。しかし、SNS全盛の現代では誰もが簡単に意見を発信でき、それが拡散されることで、世の中全体が「悪者を叩く」ムード一色に包まれてしまいます。


さらに、一度の失敗が大きな社会的制裁につながり、反省しても元の活動や職場に復帰できない状況には恐怖を感じます。私自身、仕事でミスをすることが多く、周囲に迷惑をかけることもあります。そのため、他人がミスをした際には、あまり強く責めることはしません(経営者として、もう少し厳しくすべきかもしれませんが…)。


私が思うに、ミスをカバーし合い、反省した人には再挑戦のチャンスを与える、そういう社会こそが健全だと思います。


さて、私の個人的な感想はこの辺にして、PRの現場でどうかという話に移ります。実は、週刊誌のスクープがあるとPR活動に影響が出ることが多々あります。文春砲が放たれると、テレビもSNSもその話題一色になってしまい、PRイベントを行っても、テレビなどで紹介してもらえないことが多くなってしまいます。とはいっても、文春砲が出たからといって、イベントを中止するわけにもいきません。


また、イベントにゲストとして芸能人を招いた場合、その人がスクープの対象者だと、取材記者がその件についてコメントを求めることもあり、イベントの進行に注意が必要となり余計な気を使います。


先日、週末のPRイベントは避けたほうがいいと書きましたが、最近は「文春砲」が飛び出す可能性のある木曜日のイベントもおすすめしなくなりました(笑)。


とはいえ、日程を気にしすぎるとイベントができなくなってしまいますから、あくまで半分冗談ですが、そのリスクについては事前にクライアントに丁寧に説明するようにしています。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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