top of page

無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

執筆者の写真橘川 徳夫

【実践PR講座 その3】複雑化するAISASモデルに対応するためのPR戦略とは? 〜若者層へのアプローチ〜

前回は、SNSの普及によりAISASモデルが複雑化したことをお話ししました。今回は、その複雑化した消費者行動に対して、どのようにPR戦略を立てていけば良いのかについて解説します。

 

従来のPR施策と現代の若者層へのアプローチの課題

従来のPRは、テレビや新聞といったマスメディアを通じて行われていました。しかし、最近では特に若者の間で、テレビを見ない、新聞を読まない人が増えています。その結果、従来のメディアを使ったPRでは、若者にリーチするのが難しくなってきました。


若者のメディア消費の変化

若者は、インターネットやSNS、動画配信サービスなどのデジタルメディアを中心に情報を集めています。スマートフォンやタブレットを使って、いつでもどこでも情報を得ることができる環境に慣れ親しんでおり、テレビや新聞といった伝統的なメディアの利用は減少しています。このようなメディア消費の変化により、従来のPR手法が若者に届きにくくなっているのです。


総合的なアプローチの必要性

このような状況に対応するためには、PR施策だけでなく、WEB施策やSNS施策を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。




 

1. PR施策(図の①部分)

従来のPR施策は、主にテレビや新聞などのマスメディアを通じて行われていました。しかし、現在はそれに加えて、Web広告やプレスリリースの配信、PRイベントの開催など、さまざまな手法を組み合わせる必要があります。これらの施策は「Attention(気づき)」と「Interest(関心・興味)」の段階で効果を発揮します。

2. WEB施策(図の②部分)

若者層は、検索エンジンやウェブサイトを利用して情報を収集する傾向が強いです。そのため、SEO対策やウェブサイトのリニューアル、オウンドメディアの開設、さらには動画コンテンツの提供が重要となります。これにより、「Search(検索)」段階での接触機会を増やし、消費者が求める情報をスムーズに提供できます。

3. SNS施策(図の③部分)

SNSは若者が最も多く利用するメディアの一つであり、ここでの施策が非常に効果的です。SNSアカウントの開設・運営やSNS広告、インフルエンサーの活用などを通じて、消費者と双方向のコミュニケーションを図ります。これにより、「Interest(関心・興味)」や「Action(行動・購買)」だけでなく、「Share(共有)」の段階でも大きな影響を与えることが可能です。

 

これらの施策を組み合わせることで、複雑化したAISASモデルに対応する総合的なPR戦略が構築できます。特に若者層に向けては、テレビや新聞などの伝統的なメディアだけでなく、WebやSNSを積極的に活用することが不可欠です。これにより、消費者のさまざまな接点でのエンゲージメントを強化し、より効果的なマーケティングが実現できるでしょう。

 

この図を活用することで、現代のPR戦略がいかに総合的で柔軟なアプローチを必要としているかが視覚的に理解しやすくなります。企業は、ターゲット層のメディア消費の変化に対応し、適切な施策を組み合わせることで、競争力を高めることが求められています。

閲覧数:1回0件のコメント

最新記事

すべて表示

【実践PR講座 その10】無関心層に響く!成功するペルソナ設定とコンテンツ制作のコツ

前回は、ペルソナ分析を活用して60%の無関心層にアプローチする方法についてご紹介しました。今回は、さらに具体的にペルソナの設定方法と、それを活用した効果的なコンテンツ制作のコツについてお話しします。 ペルソナを設定する際には、単に性別や年齢などの基本的な情報だけでなく、...

【実践PR講座 その9】ペルソナ分析で60%の無関心層を狙え!効果的なマーケティング戦略の鍵とは?

前回のブログで、「興味ある」「興味ない」のどちらでもない60%へのアプローチがPR戦略を立てる上で重要だとお話ししました。今回は、その60%の無関心層をターゲットにするための具体的なマーケティング戦略として、ペルソナ分析の活用方法について解説します。 1....

【実践PR講座 その8】「262の法則」で見極める!関心の薄い層への効果的なPRアプローチとは?

これまでのブログでは、若者の「推し活」やインターネットの仕組みによって、興味のある情報しか伝わりにくい現状についてお話ししてきました。今回は、関心が薄い層にどのようにアプローチできるのか、私の考えをお伝えします。 マーケティングの世界では、すべての消費者が自社の製品やサービ...

Commentaires


著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

bottom of page