top of page

無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~


このブログを始めてから1年が経ったことをご報告しました。(参考:https://www.windam.co.jp/post/1-year-has-passed)

実はブログ読者を増やすために、X(旧Twitter)のアカウントも開設し、記事を紹介する投稿を始めました。最初は「ブログを更新したらXにも投稿する」という形だったので、必然的に毎日投稿するわけではありませんでした。

しかしSNS、特にXは「発信しなければフォロワーは増えない」媒体です。思うような拡散が得られなかったため、思い切って毎日投稿することを目標に掲げて取り組み始めました。気づけばその挑戦も1年以上続いています。今回は、その振り返りをお話ししたいと思います。

 

最初に決めたのは、フォロワー数や“いいね”の数を目標にしないことでした。なぜなら、それらは自分でコントロールできないからです。「結果」ではなく「行動」を目標にすることで、達成感を積み重ねていけると考えました。

毎日投稿を続ければフォロワーも増えるだろうと予想していましたが、実際にはそう簡単ではありませんでした。当初は30フォロワーくらいでしたが、何かをきっかけに一時100フォロワーに近づき、100を超えられると思ったのですが、その後は減少し、ここ数か月は50名前後で安定しています。

 

次に着目したのは、投稿がどれだけ見られているかを示すインプレッション数でした。当初はフォロワー数を超えることがなかったのですが、途中から安定してフォロワー数以上の数値が出るようになりました。

きっかけは、投稿内容の変化です。当初は「ニュース記事をPR会社の視点で解説する」形式で投稿していました。しかし、良い記事を見つけるのに手間がかかり、さらに内容をPR視点に寄せようとすると、どうしても時間をとられてしまう。その結果、無理やり作っているような不自然さが出てしまい、自分でも続けにくさを感じていました。

そこでスタイルを変え、“おじさん目線”で世の中のニュースや他の人の投稿にコメントするようにしました。

すると、ある投稿でフォロワー数の数十倍のインプレッションを獲得。これを境に、スポーツや芸能など世間の関心が高い話題を取り入れることで、平均してフォロワー数の5倍以上のインプレッションを得られるようになりました。

この経験を踏まえて、インプレッション数を新たな目標に設定しました。

  • 1週間の合計インプレッション数をフォロワー数の35倍以上(=1日あたり約5倍)

  • 1投稿あたり、フォロワー数の4倍以上

このように「投稿数を増やせば達成可能」という、自分でコントロールできる数値にしました。結果として、この目標は半年以上継続的に達成でき、できなかったのは数週間程度にとどまります。

 

Xで投稿を続けていると、どうしてもフォロワー数やインプレッション数といった数字が気になってしまいます。SNSは数字が顕著に表れる媒体なので、「意識するな」と言っても無理があるのだと思います。

それでも、やめてしまうのはせっかく積み重ねてきたものがもったいない――そう感じたからこそ、この1年間投稿を続けてきました。

次回は、1年間毎日投稿を続けてきた中で、私なりに気づいた「どんな投稿が効果を生むのか」についてお話ししたいと思います。

 
 

先日、ついに新しいスマホに買い替えました。

画面は割れて見づらいし、電池もすぐ切れるし、周りからは「社長なのにそんなの使っているんですか?」と笑われる始末。さすがに限界を感じたのです。


ところが、本当に大変だったのは買い替え手続きよりも、その後に待っていた「パスワード地獄」でした。数字、英字、大文字、記号の組み合わせで、サービスごとに違うパスワードを設定しなければならない。覚えられるわけがありません。

結局、メモを取っておくしかないのですが、中にはメモを忘れてしまうケースもあり、「あれ、パスワード何にしたっけ?」と結局パスワードを問い合わせる羽目になるのです。


今回一番焦ったのはLINEでした。

私の場合、パスワードを使うのはスマホを替える時くらいなので、数年前に控えていなかったことを大後悔。アカウントが移せず冷や汗をかきました。

最後はなぜか移行できましたが、どのパスワードが正解だったのか未だに謎です。次の買い替えが怖いくらいです。


もちろん、セキュリティの大切さは理解しています。個人情報が流出して犯罪に使われるニュースを見れば納得です。でも、便利になるはずの技術が、逆に不便を増やしているのでは?とも感じてしまいます。


おじさんとしては「パスワードなしで安全に使える社会」が来てほしいと願っていますが、現実はそう甘くないのでしょう。泥棒や悪人がいる限り、仕方ないのかもしれません。


それにしても――私のように四苦八苦しているおじさんがいる一方で、若い人たちはどうやっているのでしょうか。

パスワード管理アプリでも使いこなしているのか、それともそもそも発想が違うのか。おじさんの知らない「便利なやり方」があるのなら、ぜひ教えてほしいものです。

パスワードの設定に悪戦苦闘するおじさん
パスワードの設定に悪戦苦闘するおじさん

 
 

夏といえば、花火大会、夏祭り、音楽フェス……。多くの人にとって季節の楽しみであり、地域の恒例行事として長年続いてきたイベントが目白押しです。人気が高く来場者数も多い分、「中止」や「日程変更」はよほどのことがない限り判断しにくいのが現実です。

しかし、今年の夏は異常な暑さにより、さすがに開催の有無を検討した主催者もあったのではないでしょうか。とはいえ、直前に中止を決めるのは難しく、結局ほとんどのイベントが予定通り実施されたように思います。

 

花火大会やフェスが天候で中止になった際、「翌日や翌週に順延すればいいのでは?」という声を聞くことがあります。しかし、実際には警備費用や人件費の問題があってほぼ不可能です。

花火大会で必要なのは花火師だけではありません。来場者の安全を守るため、多くの警備員や案内スタッフが必要になります。2001年の明石市の花火大会事故以降、警備体制は大幅に強化されており、来場者が増えれば増えるほど費用も膨らみます。中止になったからとはいっても、人員を確保すれば、その費用は発生します。さらに、順延での開催となればスタッフを追加で確保する必要があり、その費用再度かかるため、ほぼ倍の予算となり、多くの主催者にとって、そんな予算は確保できません。

さらに、この猛暑では熱中症対策のために医師や看護師の配置、水の配布、冷房施設の設置など、追加コストも発生します。屋外イベントは天候に大きく左右されるため、主催者は常に天気予報とにらめっこ状態です。

 

「イベント保険」という仕組みもありますが、すべての損失を補償しようとすれば保険料は非常に高額になります。結果的に、多くの主催者はリスクを承知の上で開催日を設定し、あとは祈るしかないのが実情です。

雨の少ない季節に開催時期を変更するという選択肢もありますが、夏ならではの集客効果や雰囲気を考えると、簡単には踏み切れません。

 

PRの観点からすると、夏の屋外イベントは絶好の話題づくりの場です。地域の魅力を発信し、ニュースやSNSで多くの人の関心を集めることができます。しかし、中止になればその効果はゼロ。取材対応も天候や暑さに左右され、準備の労力に見合わないこともしばしばです。

先日、あるイベント会社の制作担当者に「屋外イベントやっていますか?」と尋ねたところ、返ってきた答えは一言、「死んじゃいます」。この酷暑の中では、企画・運営側も参加者もメリットよりリスクのほうが大きくなってしまいます。

 

夏の屋外イベントは、地域にとってもPRにとっても魅力的な素材です。しかし、ここまで暑さが厳しいと、実施そのものを再考すべき時期に来ているのかもしれません。

PRに携わる者としては寂しい思いもありますが、安全と持続性を考えれば、時には「やらない勇気」も必要だと感じています。

 
 

著者・橘川徳夫 プロフィール

ダウンロード.jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

bottom of page