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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

これまで、インターネットの普及により消費者行動の変化についてお話してきましたが、今回は、それに伴ってターゲット層に変化がみられてきたことについてお話ししたいと思います。


PRを進める上で、ターゲット層の選定が非常に重要であることは、これまでのPR講座でも繰り返しお伝えしてきました。



かつては、上の表に示すように、年齢や性別を基準にしたターゲット層が設定されていました。そのターゲット層に対して、どのようにアプローチするかがPR戦略の課題でした。


例えば、若い女性向けの化粧品を販売する場合、F1層向けのメディアを選び、そこで人気タレントを起用したCMを制作するのが一般的なPR戦略でした。


現在でも、この考え方が完全になくなったわけではありませんが、実際には年齢や性別で一括りにしたターゲット設定では、PRがうまくいかないケースが増えています。これは、多様性が重視される現代において、好みや価値観を年齢や性別でひとまとめにすることが適切でない場合があるからです。


例えば、私が小学生だった頃は、男の子は黒のランドセル、女の子は赤のランドセルを持つのが一般的でした。しかし、現在の小学生は、様々な色のランドセルを選ぶことが当たり前となり、男の子がピンク、女の子が青のランドセルを選ぶことも普通になりました。


もちろん、年齢を基準としたターゲット設定が今でも有効な場合もあります。例えば、アンパンマンのおもちゃは幼児に喜ばれますが、小学生にプレゼントすると不評を買うかもしれません。


しかし一方で、若い世代でも昭和の歌謡曲が好きな人がいたり、60代でもアイドルの追っかけをしている人がいたりします。また、スポーツが嫌いな子供もいれば、60歳を過ぎてもスポーツを続ける人もいます。


さらに、年齢や性別でターゲットを括ると、差別的だと非難されるリスクもあります。PRを進める上で、年齢層や性別を考慮することは依然として重要ですが、ターゲットが明確でない場合、その層に向けてPRを行っても、関心を持たれない可能性が高いです。


特に、若年層をターゲットとしたPRのアプローチは、現代では難しい局面にあると言えます。この点については、次回以降でさらに詳しくお話ししていきます。

 

 

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「スポーツの秋」がやってきましたね!私もランニングを始めてもう15年ほどになります。最近は1キロあたり5分ちょっとのペースで、月間平均で約80㎞くらい走っています。(走る人にはこの速さがどれくらいか、なんとなくわかるかもしれませんね)。


ランニングを始めたきっかけは、知り合いがマラソンをやっていると聞いたことです。「自分も試してみたい」と思い立ち、走り始めました。途中、数年間休んでいた時期もありましたが、引っ越してから家の近くによい公園があり、再び走りやすい環境が整ったので、また続けられるようになりました。


よく「走って何が楽しいの?」と聞かれるのですが、これって好き嫌いの話と同じで、嫌いな人にはどれだけ説明しても伝わりにくいんですよね。例えば、好きなタレントや俳優がいるとしても、その理由を他の人に説明するのは難しいですし、相手に理解してもらえても、その人が同じように好きになってくれるわけではないですよね。


実際、自分でも「何が楽しいのか」と言われると、うまく説明できないんです。ただ、続けられた理由として思い当たることはいくつかあります。


まずは「時計」です。タイムを測るようになり、少しでも速く走れると嬉しくて、また走りたくなるんです。ランニング用の時計を使うとラップタイムもわかるので、より自分の走りが見えるようになりました。


次に「スマホアプリ」です。ランニングの記録が簡単に取れるようになり、タイムが残るので、走った距離やペースが一目でわかります(あまり深くは分析していませんが……)。


そして「レースへの参加」です。東京マラソンに当選して参加できたことがきっかけで、走る楽しさに目覚めました。コロナ禍の影響でレースが減り、最近は参加できていませんが、「レースに出る」という目標ができたことで走るための意欲が高まったのは事実です。


ランニングを始める理由やモチベーションは人それぞれ。ダイエットや運動不足解消を目的にする人もいれば、かっこいいシューズやウエアをきっかけに始める人もいるでしょう。私の場合は、たまたまランニングに出会った感じですが、実際にやってみないと自分に合うかどうかはわかりませんよね。


ランニングが続けられたのも偶然の出会いですが、これはPRにも通じるところがあると思います。自分が興味のないことでも、まずはやってみる。これが新しいことを知るきっかけになります。PRに携わる皆さんも、知らないことに積極的にチャレンジするのをお勧めします。


走るのが苦手な方も、まずは一度走ってみてはいかがでしょう?もしランニングが自分に合わないと気づいたとしても、それは大切な発見だと思いますよ!(笑)

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先日、このブログで「経営学はPRに役立つ」というテーマで、いくつかの経営学書を紹介しました。しかし、実はもう一冊、ぜひ紹介したい本がありました。それが、クレイトン・クリステンセンの『ジョブ理論』です。彼は『イノベーションのジレンマ』で有名になりましたが、この『ジョブ理論』もまた、製品やサービスの成功を理解するための強力なフレームワークです。


ジョブ理論とは?


ジョブ理論では、消費者が製品を購入する理由を「その製品が果たすジョブ(役割)」として捉えます。つまり、消費者は製品そのものではなく、その製品が自分のニーズをどのように満たしてくれるかに注目しているのです。


例えば、朝にコーヒーを買う理由を考えてみましょう。単に「コーヒーが好きだから」ではなく、朝の眠気を覚ましたり、リラックスするためにコーヒーを選んでいることが多いでしょう。つまり、コーヒーという製品は「眠気を覚ます」というジョブを果たしているのです。


PRにおけるジョブ理論の重要性


では、なぜジョブ理論がPRにおいて重要なのでしょうか。それは、製品の特性だけを伝えるだけでは、消費者がその製品を選ぶ理由を十分に伝えられないからです。消費者は、その製品が自分の問題をどう解決してくれるのか、つまりどんなジョブを果たしてくれるのかに興味を持っています。


例えば、新しい掃除機をPRする際に、単に「吸引力が強い」「軽量で使いやすい」と特徴を並べるだけではなく、「忙しいあなたの時間を節約し、家庭を常に清潔に保つパートナー」として紹介することで、消費者にその掃除機が果たすジョブを具体的に伝えることができます。


なぜジョブ理論を紹介しなかったのか?


ここまで「ジョブ理論はPRに役立つ」と言いながら、先日のブログでこの理論を紹介しなかった理由をお話ししましょう。実は、先日のブログの原稿はAIのアシストを受けて執筆したものだったからです。もちろん、紹介した本は全て読んでいますが、「経営学がPRに役立つというテーマでコラムを書いてください」といったプロンプトを入力すれば、ブログの原稿は半分くらいできあがってしまいます。


AIは「人間の知能を備えたコンピュータープログラム」という製品ですが、どのように活用すればいいのかイメージが湧かないこともあるでしょう。しかし、ジョブ理論を用いれば、AIの役割を「ブログ原稿の作成時間を短縮するためのプログラム」として位置づけることもできます。


少し言い訳っぽくなってしまいましたが、ジョブ理論を理解することで、PRの幅もさらに広がるかもしれませんよ!


もちろんこの原稿もAIに助けてもらっています(笑)

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著者・橘川徳夫 プロフィール

顔写真 (2).jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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