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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

知られていないことをPRするには、どんな点を考慮すれば良いのでしょうか?

私は、PRを展開する際には5W1Hを考えることが重要だと考えています。ただし、文章を書くための5W1Hとは少し異なります。

 

When(いつ)→ PRを実施するタイミングを考えます。 

Where(どこで)→ PRをどの媒体で行うかを検討します。例えば、テレビなどのメディア露出やSNSメディアでの拡散などが挙げられます。 

Who(だれが)→ PRを対象とする人物やグループを特定します。

What(何を)→ PRしたい商品やサービスを明確にします。

Why(なぜ)→ PRをする理由や目的を明確にします。

また、How(どのように)→ 上記の要素をもとに具体的なPR戦略を立てます。

 

特にPR戦略を考える際に重要なのは、What(何を)、Who(誰に)、Why(なぜ)をまず考えることです。なぜなら、これらが明確でなければ、後のPR活動がうまくいかないからです。


例えば、SNSが流行っているからといって、ただYouTube動画を作ってPRするというのは順序が逆です。代わりに、特定の商品の使いやすさを若年層に伝えるための動画を作成し、YouTubeで幅広くアピールするというのが適切な戦略です。


一方で、高齢者向けの健康補助食品をPRする際にYouTubeを活用することは考えにくいでしょう。


次回以降は、What(何を)、Who(誰に)、Why(なぜ)について詳しく説明します。


 

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前回お話したように、「自分は知っているが、相手は知らない。」という情報がPRにおいて効果的であることを述べました。


しかし、実際のところ、このようなケースは稀で、「自分は知っているし、相手(みんなも)知っている。」というケースがほとんどです。


この議論は哲学的な側面も持ちますが、単純に相手に新しい情報を伝えることがPRにつながるということです。分かりにくいかもしれませんので、具体例を挙げて説明します。


例えば、弊社で「北斗の拳展」のPRを行った際に、多くの人々が「北斗の拳」の漫画・アニメは知っています。この場合、「北斗の拳展」のPRは効果がないと考えるかもしれませんが、そうではありません。PR会社が成り立つのもこのようなケースであり、そのためには新しいアプローチが必要です。


具体的には、「北斗の拳」のファンに対しては、展覧会の開催を伝えることに焦点を当てます。彼らにとって展覧会は魅力的なイベントであり、その存在を知れば参加したいと考えるでしょう。しかし、知らなければ行くことはできません。従って、PRの目的は展覧会の開催を知らない人々にその情報を伝えることにあります。


さらに、北斗の拳のファンでない人々にも興味を持たせる情報を提供することで、展覧会のPRを行います。例えば、この漫画やアニメに触れたことがない若い世代に対しては、影響を受けた漫画家や人気タレントが魅力を伝えることで、彼らにも展覧会への興味を抱かせることができます。


つまり、「北斗の拳の魅力を知らない」人々に対してその魅力を伝えることで、展覧会のPRを行うのです。


自分が知っていると思っていたことでも、新たな視点で見ることで未知の部分が見えてくるものです。PRの役割はそうした未知の部分を発見し、周知させることにあります。このような発見は自己成長にも繋がりますし、PR効果も高まります。


次回以降では、具体的なPR戦略の考え方について話を進めていきます。

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「知らない」という状態って、実際どんなものなのでしょうか?考えられるパターンを挙げてみましょう。


①自分も相手も知らない。

②自分は知っているが、相手は知らない。

③自分は知らないが、相手は知っている。

④自分も相手も知っている。


この中で、①はPRする必要がありません。

一方で、②はPRの絶好のチャンスです。前回お話したように、PRの目的は「知られていないことに気づいてもらう」こと。だからこそ、自社の商品やサービスをPRすることで、売り上げや知名度の向上に繋がるわけです。


例えば、新製品はまだ市場に出回っていないため、PRが必要です。


③はPRの失敗例です。自分が知らないからといって、相手も知らないとは限りません。ここでPRしても効果はありません。周りの人によく確認することが大切です。


④は、PRの機会が潜んでいます。たとえば、商品にはあまり知られていない機能がある場合、その機能をPRすることで商品価値を高めることができます。


ただし、④の場合もPRの価値を見極めるためには、まずは②の状態を作り出すことが大切です。そうすれば、PRの価値が明確になります。

 

PRの相談を受ける際は、ほとんどが②または④の状況です。


注意しなければならないのは、自分が②と思っていても、実は③だったということ。知らないと思っていることは、実は周囲でも知られていることが多いのです。


今はSNSなどで情報を手に入れることができるので、知らないことを知ることがますます重要になっています。


④の場合は、PR会社が独自の企画を立てる必要があります。その企画力が問われる場面です。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

顔写真 (2).jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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