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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

前回の記事では、PR戦略のポイントとして「What(何を)」について話しました。今回は、「Who(誰に)」に焦点を当ててみたいと思います。これは、マーケティング業界でよく「ターゲッティング」と呼ばれる問題です。


同じ商品であっても、年代や性別、地域によっては知らない人もいれば、興味や趣味によって全く知られていないこともあります。そのため、PR戦略や方法はターゲットによって異なります。製品自体を知っている人に対して、ターゲットによっては知らないであろう機能をPRする場合もあります。


たとえば、新製品の場合、日本国民全員に知ってもらいたいと思うかもしれませんが、実際にはある程度買ってもらいたいターゲットが存在します。例えば、食料品のお米であれば、誰もが食べるものですが、新しくできたブランド米であれば、食にこだわりのある富裕層や健康にこだわりのある人に知ってもらいたいと考えることができます。


ターゲットを絞ることで、その人に向けて効果的なPR戦略を立てることができます。漠然とみんなに知ってもらいたいという理想はありますが、結局はターゲットを絞らなければ誰にも伝わりません。商品の特性やニーズに応じて、誰に対してPRを行うかを考えることがPR戦略の第一歩です。そこから、効果的にPRを進めていくことが大切です。


誰でも知っている製品やサービスの場合は、知らないであろう内容を伝えていくわけですので、その知られていないことが誰に役に立つか、興味を持つなどを考えてターゲットを決めていくことが重要となってきます。


確かに、誰でも知っている製品やサービスでも、知らないであろう内容を伝えることが重要です。その際には、その知られていない情報が誰にとって役立つかや興味を引くかを考えて、ターゲットを決めていくことが重要になります。


例えば、スマートフォンは現在誰もが持っていて使っているものですが、伝えたい内容によってターゲットが異なります。もし費用を安くすることを伝えたいのであれば、若者やその費用を払っている親世代をターゲットにすることが考えられます。一方で、難しい機能を排除して簡単に使える機能を伝えたい場合は、お年寄りをターゲットとした戦略を取ることになります。


このように、伝えたい内容によってターゲットが変わるため、PRにおいて「Who(誰に)」を明確にすることが重要です。それによって、効果的なPR戦略を立てて、伝えたいメッセージを効果的に届けることができます。

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ここ数年早まる一方だったソメイヨシノの開花時期ですが、2024年は平年並みに落ち着きました。東京では見どころのピークは過ぎたようですが、皆さんはお花見に行きましたか?

 

毎年、桜の開花時期は注目を集めます。実は、今年私はあるお花見イベント企画のPRを担当しました。直前まで暖冬傾向が続いたため、開花時期は前倒しになるのでは……と予想されていました。


PRのお話をいただいた時は、「ちょうど満開になるタイミングでイベントができそうだ」と思って楽観的に考えていたのですが、ご承知の通り3月下旬になって低温傾向が続いたため、開花は大幅に遅れてしまいます。ソメイヨシノもまだ開花していない状況でイベント当日を迎えたのです。

 

取材しても絵になりづらい状況から、イベントPRは苦戦するのではないか……と危惧していたのですが、蓋を開けてみれば杞憂に終わりました。予想以上に各メディアからの取材引き合いを得ることができたのです。

 

なぜなのだろう……と考えてみたのですが、ふと、思い当たったのは、「咲いていない状況が、逆にPRのネタになっている」ということです。当日は、主催者からのイベント期間延長の発表も行われました。こうした主催側からの対策も実り、ニュースとして十分な価値があると判断されたわけです。


一般的に、天候に左右される屋外イベントはPRが難しいとされます。ですが、それを逆手にとり、“予測不可能な展開”を上手くフックにすることで、話題として取り上げてもらいやすくなるのです。

 

もっとも、「桜」はPRの第一級素材といえます。春は多くの日本人にとって出会いや別れなど転機の季節です。咲き誇る桜を見ることで、日本人は新たな生活への気持ちが固まるのでしょう。


地球温暖化の影響か、開花時期の予測がますます難しくなって、イベントを企画する会社の方は大変だと思いますが、PRの観点からみれば、「桜」はどんな状況でもPRネタになり得ます。


ぜひ、春の訪れを祝うイベントを今後も続けていただき、PRの際にはぜひ私たちもお手伝いさせてください!





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前回では、PR戦略を考える上で「What(何を)」、「Who(誰に)」、「Why(なぜ)」を考慮する必要があるとお話ししました。


今回は、「What(何を)」に焦点を当ててみたいと思います。


「What(何を)」と言われると、自社の製品やサービスを指すと当たり前に思われるかもしれません。しかし、PRの目的は「知られていないことに気づいてもらう」ことです。つまり、製品やサービスの中でまだ知られていない部分を伝えることが重要です。


新製品などまだ市場に出ていないものは、PRしやすいかもしれませんが、実際には既存の製品やサービスをPRする場合も多いです。この場合、製品やサービスの特徴や他社との違いを伝えることが重要です。


たとえば、自動車会社がEV(電気自動車)の販売を始めたとします。EV自体は既に世界中で販売されていますので、単に「EVを販売する」という情報だけではPRとしては十分ではありません。代わりに、他社との違いや製品の特長を強調することで、PR効果を高めることができます。


製品やサービスに関する情報をただ伝えるだけでは、前回お話ししたように、みんなが知っていることを知らなかったという結果になりかねません。ですから、PR戦略を考える上では、自社の製品やサービスについて深く理解し、また、市場の動向や競合他社の情報なども把握することが重要です。


また、「何を」探していると、様々な機能が発見されるかもしれません。しかし、PRを成功させるためには、伝えたいことを1つに絞ることが重要です。人々は一度に複数の情報を受け取ると覚えられなくなり、情報が分散すると印象に残りません。したがって、一番重要なことをメインに伝え、それ以外の情報は補足として提供するのが効果的です。


PR会社的な観点からは、複数の情報を同時に伝えることでPRの機会が増えると考えるかもしれませんが、一度のチャンスを逃すと次の機会が得られないこともあります。そのため、一番重要なことを決めることは非常に重要です。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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