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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

先日、前澤友作さんや堀江貴文さんが自民党にSNSのなりすまし広告の規制を求めたというニュースがありました。



この話を聞いて、私のFacebookにも岸博幸さんの投資セミナーの広告が掲載されていたことを思い出しました。広告に対するコメント欄には「LINEに登録する」というコメントがたくさんあり、驚きました。

 

有名人の影響力はすごいと改めて感じましたが、この広告ついて私の思ったことをお話ししようと思います。


PRの観点から考えると、有名人が広告を出す必要はないかもしれません。彼らのフォロワーが多いので、広告を出さなくてもSNSで情報は広まるでしょう。また、有名人がイベントを主催する場合、必ずスポンサーがつくのが一般的です。有名人が自ら広告費用を負担する必要はありません。投資セミナーが本当にあるのであれば、金融機関や金融ファンドなどがスポンサーになって自社の商品を買ってもらうために開催するのが一般的だからです。

 

さらに、私のFacebookにあった岸さんの広告は、社会貢献の一環として病気になったことをきっかけに知識を共有するという内容でした。もし有名人がボランティアでイベントをするなら、メディアが取り上げる可能性が高いです。その方が多くの人に知られるでしょう。

 

つまり、このような投資セミナーをSNS広告で知らせる必要性は低いと考えます。PR的な視点があれば、こういう広告に騙されることはないのではないでしょうか?


誤解しないでほしいのですが、こういう広告を見たときにまずは私の話を思い出して冷静に考えていただきたいと思っているだけで、騙された人が悪いというつもりは全くありません。


なので、前澤さんや堀江さんのように政府が広告を規制すべきだという主張には同意します。大手ITメディアが違法な広告を見せないようにすることは、詐欺を防ぎ、情報弱者を守るために重要だと思っております。

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PR戦略を考える上で、「What(何を)」や「Who(誰に)」について話しましたが、最後に「Why(なぜ)」についても触れてみたいと思います。私は、「Why(なぜ)」が最も重要だと考えています。なぜなら、PR戦略だけでなく経営戦略やマーケティング戦略にも関わるからです。


この要因が明確でなければ、戦略を確定させることはできません。


PRしたい商品やサービスが「なぜ作られたのか?」、「なぜその機能が追加されたのか?」、「なぜターゲットに伝わらないのか?」などを考えると、様々な問題が浮かび上がってきます。商品がその「なぜ」を解決するために作られていれば、その解決策をPRすることで戦略は成立します。


しかし、時には思いつきで製品が開発されることもあります。たとえば、若者向けに新しい製品を作る際、色やデザインを重視して似たような商品が生まれることがあります。その結果、PRする際に伝える点が曖昧になり、ターゲットの選定も難しくなります。


例えば、お年寄り向けに文字を大きく見やすくする機能を追加した場合、その「なぜ」が明確です。「文字が見づらいから見やすくすることでお年寄りも使いやすくなる」という解決策をPRできます。しかし、日本語表記からローマ字表記に変更して若者にアピールする場合、その「なぜ」が若者に求められるものなのか疑問です。


「なぜ」が不明確だと他の要因も決められず、PR戦略を進める際に立ち戻ることがあります。そのため、チームで議論し、なぜについて深く掘り下げることが大切です。いろいろななぜを解決するために、それぞれのターゲットに向けたPRが可能になります。


以上のことから、「Why(なぜ)」はPR戦略を考える上で最も重要な要素と言えます。

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前回の記事では、PR戦略のポイントとして「What(何を)」について話しました。今回は、「Who(誰に)」に焦点を当ててみたいと思います。これは、マーケティング業界でよく「ターゲッティング」と呼ばれる問題です。


同じ商品であっても、年代や性別、地域によっては知らない人もいれば、興味や趣味によって全く知られていないこともあります。そのため、PR戦略や方法はターゲットによって異なります。製品自体を知っている人に対して、ターゲットによっては知らないであろう機能をPRする場合もあります。


たとえば、新製品の場合、日本国民全員に知ってもらいたいと思うかもしれませんが、実際にはある程度買ってもらいたいターゲットが存在します。例えば、食料品のお米であれば、誰もが食べるものですが、新しくできたブランド米であれば、食にこだわりのある富裕層や健康にこだわりのある人に知ってもらいたいと考えることができます。


ターゲットを絞ることで、その人に向けて効果的なPR戦略を立てることができます。漠然とみんなに知ってもらいたいという理想はありますが、結局はターゲットを絞らなければ誰にも伝わりません。商品の特性やニーズに応じて、誰に対してPRを行うかを考えることがPR戦略の第一歩です。そこから、効果的にPRを進めていくことが大切です。


誰でも知っている製品やサービスの場合は、知らないであろう内容を伝えていくわけですので、その知られていないことが誰に役に立つか、興味を持つなどを考えてターゲットを決めていくことが重要となってきます。


確かに、誰でも知っている製品やサービスでも、知らないであろう内容を伝えることが重要です。その際には、その知られていない情報が誰にとって役立つかや興味を引くかを考えて、ターゲットを決めていくことが重要になります。


例えば、スマートフォンは現在誰もが持っていて使っているものですが、伝えたい内容によってターゲットが異なります。もし費用を安くすることを伝えたいのであれば、若者やその費用を払っている親世代をターゲットにすることが考えられます。一方で、難しい機能を排除して簡単に使える機能を伝えたい場合は、お年寄りをターゲットとした戦略を取ることになります。


このように、伝えたい内容によってターゲットが変わるため、PRにおいて「Who(誰に)」を明確にすることが重要です。それによって、効果的なPR戦略を立てて、伝えたいメッセージを効果的に届けることができます。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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