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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

PRの手法以外について、数回にわたりお話ししてきましたが、今回はPRの問題点やその効果について掘り下げてみましょう。


PRは即効性がある場合もありますが、うまくいかないことも多いものです。企業としては、早急に効果を実感したいと思うのが当然ですが、短期間の効果に終わってしまうと、PRが失敗したと感じることになります。逆に、効果が継続すれば費用対効果も上がり、広告など他の戦略とも相乗効果を発揮することができます。


例えば、タレントを使ったPRイベントは、その瞬間は大きな注目を集め、メディアにも多く取り上げられますが、タレント頼みではその効果が一時的なものになりがちです。そのため、長期的な視点でPR効果を考えることが重要です。


弊社が手掛ける展覧会のPRは、長期的なスパンで展開するのが特徴です。大規模な展覧会では、1年以上前からPRを開始し、最適なタイミングでメディアに露出するようスケジュールを組んでいます。これにより、一過性のPRではなく、持続的なPR効果を狙っています。


一過性のPRが悪いわけではありません。場合によっては、一時的な盛り上がりが必要なこともあります。例えば、新商品の発売前にメディアPRを行い、話題を先行させた上でCMを放送すれば、その効果が長続きすることがあります。


持続的なPRが理想ですが、これは容易なことではありません。企業は早く持続した効果を求めますが、同じ手法を繰り返すと効果が薄れるため、新しい戦略を考える必要があります。


また、一度の失敗でPRがうまくいかないと諦めるのではなく、地道にプレスリリースを送り続けることが重要です。タイミングや内容によっては、メディアに取り上げられることもあります。PR効果が一時的であることは避けられませんが、計画的にPR活動を行うことが成功への鍵となります。


以上のように、PR戦略では「継続」と「タイミング」が重要です。長期的な視点と柔軟な対応で、持続的な効果を目指しましょう。

 
 

前回、前々回と2回にわたって、費用をかけずにPRを行う方法について解説してきました。PRは必ずしもお金をかければ成功するわけではなく、全く費用をかけずに大きな効果を得ることも可能です。例えば、テレビ番組で有名人が偶然にあなたのお店の商品を絶賛すれば、翌日から大繁盛になることもあります。これは、口コミの力と言えます。


しかし、どんなに良い商品やサービスでもPRをしなければ、その価値が伝わらず売れないこともあります。PRには戦略が重要ですが、運に左右される要素も無視できません。もしPRがうまくいかなくても、その商品やサービスが良いものであれば、戦略を見直して続けることで成果を挙げることができるでしょう。


とはいえ、すべての商品・サービスがPRに適しているわけではありません。PRに向いていないジャンルもあります。以下に、PRに向かない商品・サービス分野の特徴を3つ挙げます。


1.説明しないとわからない商品・サービス

2.特に必要性を感じない商品・サービス

3.ありきたりで特徴のない商品・サービス


まず、その商品・サービスがPRをしても伝わらない(上記1のケース)ということになれば、PRが難しいと判断せざるをえないということになります。また、PRに不可欠な「新しさ」「面白さ」「役立つ」が欠けている場合(上記2、3のケース)も、PRには向いていません。


こうしたケースに当てはまる場合は、PRではなく顧客に対する対面での営業活動を強化しましょう。対面営業では、直接顧客に製品やサービスを説明することができます。電話やメールでアポイントを取り、直接会う機会を増やしましょう。


結局、商品が売れるためには、自社に合った方法を選択することが重要です。PRにこだわらず、他の手段も考慮してみてください。このPR講座が皆さんの参考になれば幸いです。

 
 

PRイベントなどが日程の関係から休日に実施することがよくあります。私は社長なので、人が足りなければ、休日でももちろん仕事はします。


お正月の三が日にPRイベントで仕事をしたこともあります。このときは、さすがにこんな日にやらなくてもいいじゃないかと思ったこともありました。


テレビは毎日放送していますし、新聞も毎日発行されています。なので、テレビ局・新聞社は、休みなしで仕事をしていますが、記者は、交代でお休みをとっているはずです。ですが、テレビや新聞の人以外の方は、休日よりも平日に取材をしたいような気がします。


当然、PR会社でも代休などを交代に取ってきちんと休日を取るようにしていますのでご安心を。


ところで、休日のPRイベントは効果があるのかというと、実は微妙なところです。


土日のファミリー客層を狙ったイベントであれば、休日での開催もやむを得ないのですが、通常のPRイベントを休日に行うとテレビへの露出が厳しくなります。


なぜなら、土日は平日のような情報番組が少なく、またニュース番組も1週間を取りまとめた内容が主流となっているからです。日曜日にPRイベントを実施すれば、翌日の情報番組に紹介されるので問題ないのでは?と思われるかもしれません。しかし週末の情報はたくさんあるので、それらのイベントに対して話題性で上回るインパクトがなければなりません。でなければ埋もれてしまうでしょう。よほど内容に自信がなければ、メディアに取り上げてもらうのは難しくなると考えておいたほうが良さそうです。


私は、テレビ放送を狙ったPRイベントを考えるのであれば、できるだけ火曜日から木曜日に実施することを提案しています。少しでも露出の可能性を高くするため、そういったアドバイスは、「なるほど」と感心されることもあります。


とは言っても、入念に準備して平日に実施しても、偶然に様々な他のPRイベントと重なってしまい、取り上げられなかった……というケースも考えられます。


こうしたことから、休日のPRに関してはいろいろと考えなければいけないことがあるので、悩ましいのです。もっとも、正直に言えば休日は休みたいのが本音なのですが、記者やPRイベント主催者の方もそう思っているんじゃないでしょうかね?

 

 
 

著者・橘川徳夫 プロフィール

顔写真 (2).jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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