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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

私がPRの仕事を始めた21世紀初頭は、テレビが最も影響力のある媒体でした。でも今は違います。インターネットの時代が進み、WEBニュースも力を増してきています。


最近、PRの相談でよく聞くのが「Yahoo!ニュースに載せてほしい」という話です。でも実は、Yahoo!Japanには独自の取材部署がありません。したがって、プレスリリースを送る先が存在しません。Yahoo!ニュースでは、他のweb情報サイトから寄せられた情報を使っているわけです。


その情報を使っているWebサイトは、こちらに一覧化されています。


だから、Yahoo!ニュースに載せたいなら、まずはそのWebサイトに記事を載せてもらう必要があるのです。ですから、わたしたちがPRをお手伝いする際も、その転載元のWebサイトに取り上げてもらう活動をするしかありません。なんともまどろっこしいのですが、これが現実です(苦笑)。


ただ、そのWebサイトで記事が掲載されたからといっても、必ずしもYahoo!ニュースにその記事が転載されるとは限りません。どのような基準で選ばれるのか、外部には明らかにされていないのです。ですがおそらくYahoo!Japanユーザーの興味を引く内容が選ばれているはずです。


運良くYahoo!Japanのトップページに記事の見出しが載れば、爆発的にページビューが伸び、それが企業や団体の絶大なPRにつながるケースもあります。ただ、やはりトップページに採用される基準も明らかにされていません。恐らく、アクセス数などが関係あるのではないかと思われますが……。


また、トップページに表示されている期間は一瞬です。「Yahooで紹介されたよ」と知り合いに教えたくなったら、すぐにスクリーンショットを撮っておいてください。でないと、次に見たときにはもう見出しのリンクが別のものに変わってしまっていることもあるからです。


Yahoo!ニュースのトップページに掲載された実績は、PR会社にも大きな成果ですが、その反面、様々な方面に連絡したり、事実確認を行ったりと忙しくなることもあります。


だから、PRを依頼する際は、Yahoo!ニュースのトップページに掲載されることを最終目的とするのではなく、あくまで通常の広報活動が充実させることに心血を注いだほうが良いでしょう。PRが順調に推移した結果、運良くYahoo!ニュースでも取り上げられたら最高ですね。

 

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前回、メディアにプレスリリースを送ることがパブリシティ活動であると話しました。しかしながら、いくらリリースをメディアに送っても紹介してもらえるわけではありません。


メディアに取り上げられるためには、どのようにプレスリリースを作成すれば、いいのでしょうか?

 

プレスリリースを作成する場合、3つの要素が含まれていれば、メディアに取り上げられる可能性が高くなります。それは、「新しいこと」、「おもしろいこと」、「役に立つこと」です。この3つの要素がすべてそろっていれば、ほぼPRは成功するといえるでしょう。


例えば、AIを駆使した無人自動車が新発売されるというリリースを配信するとします。これまでAIの無人自動車はこの世に存在しないのであれば、「新しいもの」になります。また、AIが自動車を運転できるということはSF映画のようなので「おもしろいもの」です。そして、自動運転が実現すれば、高齢者による事故の軽減や身体障碍者のような運転ができなかった人でも自動車を持つことが可能になり、「役に立つもの」になります。

 

ただし、現実的にはこのように3つの要素がすべてそろうことは、ほとんどありません。したがって、3つの内1つでも当てはまるのであれば、メディアPRを実施してみるのも一つの方策になりえます。


無料でメディアに取り上げられるわけですからその効果は高いので、PR策を考えるときに広告を行う前にこの商品はメディアPRに向いているか考えてみる必要はあると思います。


実際のマーケティングでは、PRと広告を連動させるような方策が使われることが多いですが、費用が限られている場合は、メディアPRを検討してみることは重要と思います。


次回から、この3つの要素それぞれについて解説していきます。

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日曜日夕方の国民的番組「笑点」で林家木久扇師匠が番組を卒業されました。「笑点」に出演する落語家は、一躍全国区の知名度を得ることができます。そのため、新メンバーの選定については、厳しいかん口令が敷かれるため、知り合いの噺家に聞いても知らないことがあります。


私は大学で落語研究会に所属していたこともあり、周囲からも「誰になるんだろう?」と聞かれることもありました。私も、もちろん新メンバーが誰になるのか気になっていました。


結果として、選ばれたのは立川晴の輔さんでした。


立川晴の輔さんは、その名の通り「立川流」の噺家です。東京には4つの落語団体がありますが、立川流から「笑点」のメンバーが選ばれたのはこれが初めてです。


妥当な人選だと思いました。私がプロデュースしている「さがみはら若手落語家選手権」にも、この4つの団体に所属する噺家さんが数多く出演しています。


一部で立川流と笑点の関係が良くないという噂もありましたが(本当かどうかは分かりませんが…)、晴の輔さんにはこれからの活躍に期待したいです。


近年、「笑点」のメンバーが頻繁に入れ替わっています。たとえば、桂歌丸さんから桂宮治さん、三遊亭円楽さんから春風亭一之輔さんに代わりました。


落語が世間的にあまり注目されない中、「笑点」の新メンバー選出が盛り上がると、落語界全体にとって貴重なPR機会となります。ですが、過度に繰り返すと新鮮味が徐々に落ちていきます。


また、落語ファンの私から見ると、落語の高座を見ることができない「笑点」のメンバー交代は、そこまで注目するべき話題なんだろうか……とつい斜めに構えてしまうこともあります。ですが、もし自分がPRに関われるならば、もっとポジティブに捉えられるかもしれませんね(笑)。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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