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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

最近、紅麹のサプリメントが引き起こした健康被害について、様々なメディアで報道されています。健康を守りたいというのは誰もが思うことで、健康食品やサプリメントなどの需要は今後も減ることはないでしょう。


私の会社でもこのような健康食品のPR相談を受けることがありますが、とても難易度の高いPR活動となります。なぜなら、健康食品は広告の掲載基準が厳しいからです。健康食品は広告の掲載基準が厳しく、医療的な効果を謳うことができないため、たとえば「便秘に効く」という表現は法律違反になります。


では、どんな手が考えられるのでしょうか?


健康食品をPR活動する場合も、他の分野と同様に、その商品をメディアで紹介してもらうことが基本です。そして、まず最初にその商品が本当に効果的であることを証明し、プレスリリース等の説明資料を用いて説得力あるアピールを行う必要があります。


このとき、一般的には権威ある人からの推薦や著名人を起用した宣伝を行う方法が有力です。たとえば、著名な医師からの推奨や有名人の使用実績があれば、消費者は信頼して購入する可能性が高まります。このような手法はBS放送などで見られるショップ番組でも活用されています。


今回の紅麹は、大手薬品メーカーのサプリメントであり、テレビCMも流れていることから、人々が安心して購入したわけです。


ただし、中小企業が同じような手法を採るのは難しいかもしれません。なぜなら、食品の信用度以前に、会社の信用度が判断材料になるからです。それは有名人を起用する際にも障害となり、権威ある推薦者を見つけだすことが難しくなることもあります。


そのため、中小企業が健康食品をPRする際は、広告を利用することが一般的です。有名人を起用するかわりに、広告のなかで実際に商品を使用した人の体験談などを掲載することで、同様の効果を狙うわけですね。


健康食品の広報活動の裏側には、こうした企業PRに関する事情や仕組みがあるわけです。健康に関連する製品を購入する際には、信頼性を見極めることが重要です。これからも情報を適切に取り入れて、健康に関する製品を選ぶ際に参考にしてくださいね。

 

 

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前回は、プレスリリースでメディアに取り上げてもらうためには、「新しいこと」を伝えることが大切だとお話ししました。今回は、「おもしろいこと」について考えてみましょう。


「おもしろいこと」とは、個人の感じ方によって異なります。例えば、子供が笑うようなことでも、大人にとっては面白くないかもしれません。


英語で「interesting」という言葉は、「興味を引く」という意味もあります。日本語では古くから「おかし」という言葉も、「趣がある」という意味があります。

ですから、「おもしろいこと」とは、相手にとって笑える内容だけでなく、興味を引く内容や何かしらの趣がある内容を指します。


商品やサービスをPRする際には、既に知られているものでも興味を持ってもらうために工夫が必要です。そうしないとPRの効果が薄れてしまいます。


PR会社の仕事は、おもしろいアイデアを考えて、興味を引く内容を伝えることです。例えば、私が行ったPR事例で、男性向けにクリスマスブーケ教室を開催するといった企画を行ったことがあります。当時は、フラワーアレンジ教室に通うのは女性というイメージがあったため、新鮮で興味深いものとしてメディアに取り上げられ、結果的に知名度を高める効果がありました。


このように、おもしろいアイデアを取り入れることで、知られていない情報や新しい視点を伝えて興味を引きます。


PRの鍵は、自分たちでおもしろいコンセプトを考えることです。コンセプトが思い浮かばない場合は、ぜひPR会社に相談ください。

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前回、メディアに取り上げられるためのプレスリリースの3つの要素(「新しいこと」「おもしろいこと」「役立つこと」が必要とお話ししましたが、今回はその中で「新しいこと」についてお話します。


メディアに取り上げられることをニュース性があると我々は言っていますが、まさに「新しいこと」はニュース性があるということになります。


「新しいこと」をそのまま新しいということでとらえると新商品など新しく作ったもの以外は、PRできないということになってしまいます。そこで、新しく開発したものでどこにもまだないものであれば、新しいということは、「初めてもの」という解釈も当てはめることができます。


例えば、私の会社でおこなっている展覧会のPRでは、「日本初公開の作品」は、メディアに取りあげてもらいやすいです。これは、海外では観られてきたが、日本では観られなかったので、日本国内では「新しい」ということになるわけです。

「〇〇初」というのは、メディアが好むものなので、そういう要素があれば、必ず記載した方がいいでしょう。


ただし、メディアからは当然それが初めてなのは本当かを尋ねてきますので、論理的に実証する必要があります。ネットで検索したらもうすでにあったなどよくある話ですし、リリースを出してそれがわかった場合、信用を失うことになりますので、「〇〇初」を使ってPRを進める場合は、その調査は十分に行う必要があります。


新しいとは少しニュアンスは違いますが、同じように実証できれば、大きなPRの成功する要因の一つに「一番」というのがあります。


「一番大きい」とか「日本最大」などは、数字がはっきりすれば、そこをPRのポイントとしてリリースを作成すれば、効果があると思います。微妙なのは、「一番人気」とか「一番売れている」などは、その根拠となる数字がどのように導き出されたかを伝えなければなりません。


「高校生で一番人気」とした場合、それは全国の高校生全員に聞いたのであれば、間違いないですが、ネット上でのアンケートであれば、その真偽はわからないと思われるかもしれません。


「この店で一番売れている」というのは、データとしては間違いないのですが、この店がどのような店なのか、例えば、全国で一番売れているケーキ屋とかであれば、ニュース性になるかもしれませんが、街によくあるケーキ屋では、地域の情報としてはニュース性はあるかもしれませんが、全国的なものとしてのニュース性は弱いのは当たり前のことと認識できると思います。


次回は、3つの要素の「おもしろいこと」についてお話します。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

顔写真 (2).jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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