- 徳夫 橘川
- 3月24日
- 読了時間: 3分
先日、地下鉄サリン事件から30年が経ったというニュースを目にしました。それに合わせて、テレビではオウム真理教に関する検証番組やドラマが放送されていました。
実は私も、当時丸ノ内線を使って通勤しており、タイミングが悪ければ事件に巻き込まれていた可能性があったのです。
事件当時もいつも通り丸の内線に乗りましたが、霞ヶ関駅に到着した電車のドアが開かなかった記憶があります。その日は午後から東京を離れる出張があり、午前中はその準備のため慌ただしく仕事をしていました。会社の外ではヘリコプターや救急車の音が響いていましたが、何が起こっているのかを確認する間もなく出張先へ向かいました。
その後、仕事を終え、夜は飲み会に参加して知人の家に泊まったため、東京で大変なことが起こっていたことを知らないまま翌日自宅に戻りました。帰宅すると、留守番電話に3〜4件のメッセージが入っており(普段そんなことはないのですが)、再生してみると兄が何度も心配して電話をしていたことがわかりました。
この時点で、地下鉄でサリンが撒かれたことは知っていましたが、東京が大騒ぎになっていることまでは理解していませんでした。慌てて実家に電話し、「無事だよ」と伝えたところ、兄から「もっと早く連絡しろ!」と怒られたことを、事件そのものよりも強く覚えています。
オウム真理教は、私が住んでいた杉並区とも関わりが深く、教団の代表だった麻原彰晃もこの地域から立候補していました。駅前では歌と踊りを交えた選挙活動を頻繁に行っており、私も彼を実際に見たことがあります。その当時、まさか日本を震撼させる事件を起こすとは思いもせず、単に「選挙活動が邪魔だな」と感じていただけでした。
今回、30年の節目の報道を見て当時のことを思い出しましたが、今の時代なら私は兄に怒られることはなかったかもしれません。というのも、今ではスマートフォンが普及し、どこにいてもリアルタイムで情報を得ることができます。事件当日も、スマホがあれば地下鉄サリン事件の速報を知り、東京が大混乱に陥っていることや、自分が乗っていた電車が危険だったこともすぐに把握できたでしょう。また、メッセージアプリや電話を使えば、兄に簡単に連絡を取ることもできました。
私自身、比較的早く携帯電話を持ちましたが、事件当時はまだ所有していませんでした。確か、事件の1年後くらいに購入したような気がします。
地下鉄サリン事件をきっかけにスマホの便利さを改めて感じるのも不思議な話ですが、一方で、現代のSNSの影響力を考えると、オウム真理教が当時スマホやSNSを活用していたら、どのような形で布教を広げていたのかと考えてしまいます。そして、逆にテクノロジーの進化によって、こうした事件を未然に防ぐことはできたのか——そんなことを思うと、単なる妄想では片付けられない気もします。
事件から30年が経ちましたが、あの日のことはなんとなく記憶に残っていて、娘にこの話をしたら驚いていました。社会の変化とともに、情報との向き合い方も大きく変わったことを実感してしまいます。