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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

前回のブログでは、PR戦略の立案方法についてお話ししました。しかし、PR戦略を組み立て、それに基づいてPR方策を実行しても、期待通りの結果が出ないことがあります。その理由の一つとして挙げられるのが、PR戦略におけるストーリーの欠如です。


ストーリーの重要性について以前も触れましたが、大切なことですので、再度強調してみたいと思います。自分の言いたいことをただ伝えるだけでは、相手に理解してもらうことは難しいです。効果的なPRのためには、相手に伝わりやすいストーリーを組み立てることが重要です。


例えば、PRイベントを企画する際、そのイベントがどのようにメディアで取り上げられるかを具体的にイメージする必要があります。ストーリーがなければ、メディアも取り上げにくくなります。


弊社が以前開催した「北斗の拳展」では、著名な北斗の拳ファンであるケンドーコバヤシさんをゲストに招きました。彼がイベントで話す内容は、そのまま記事にしやすく、実際に記者会見も盛り上がりました。しかし、北斗の拳を知らない人をゲストに招いた場合、興味深いエピソードやコメントを引き出しにくいので、結果として記事を書いてもらいにくくなるのです。


これはプレスリリースを作成する際も同様です。このプレスリリースがどのように記事として紹介されるのかを具体的にイメージし、そのイメージを持ちながら制作に臨むことが重要です。ストーリーが決まれば、読み手に興味をもってもらえるようなネタを含んだ記事が作りやすくなるからです。


メディア担当者と読者・視聴者が共有できる具体的な場面のイメージを持つことで、PRの成功につながります。これを実現する鍵が「ストーリー」の存在なのです。

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PR会社に勤めていると、多少役得なことがあります。


たとえば、新商品や新たなサービスなどをPRする場合、他の人よりもいち早くそれらについての詳細な情報を手に入れる事ができるケースがあります。


たとえば、当社が得意とする展覧会のPRでは、その展覧会の前日にメディア向けの内覧会が開催されるので、記者や番組スタッフに案内しながら、横目でチラチラと展覧会の概要を見ることができます。もちろん、じっくり鑑賞できるわけではないのですが、それでも一般の入場者よりも話題の企画展に触れられるのは役得と言えるのかもしれません。また、展覧会の取材は、大抵は休館日に設定されます。こうした取材活動に立ち会えば、ほぼお客様のいない展覧会場で作品を見ることもできます。


もっとも、仕事柄、展覧会場をざっと見て頭に入れるクセがついてしまっているので、いざ普通に一般の訪問者として展覧会を鑑賞する時、じっくり見るのが少し苦手になってしまっているかもしれません(苦笑)。


また、PRイベントではよく芸能人が起用されるので、彼らとは日常的に接する機会があります。これは一見役得に思えますが、実際は仕事なので話もほとんどできません。ましてや一緒に写真を撮るということなどまったくもって不可能です。強いていえば、彼らを近くで見ることができるくらいです。ですが、私語を交わすことはないので、実際にテレビなどで見ているのとあまり印象は変わりません。

 

とはいえ、PR会社に所属していると、「役得」まではいかなかったとしても、普通はあまり体験できないイベントの「裏側」を知ることはできるかもしれません。もし興味があれば、ぜひPR会社で仕事をしてみてくださいね!

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これまで、5W1H(何、誰、なぜ、どのタイミングで、どのメディアで、どうやって)をキーワードにPR戦略を考えてきました。


今回はその中でも最後の項目である「どのようにPRするか(How)」に焦点を当てて、よりわかりやすく説明してみましょう。


どのようにPRするかは、PR戦略及びPR戦術そのものです。


PR戦略を立てる際に重要なのは、何を知られていないのか(What)、誰が知らないのか(Who)、そしてなぜその情報が知られていないのか(Why)を把握することです。これらを確認することで、PR戦略の基盤を築くことができます。


次に考えるべきは、戦術です。


つまり、何をするかを具体的に決めることです。PR戦略が整ったら、その戦略に基づいて、どのように行動するかを決定します。例えば、広報担当者を配置するというのも一つの方法ですが、その前提として、なぜ担当者の配置が必要なのかを考える必要があります。


PR活動の目的は、「知らないことを知ってもらう」ことです。


この目的を達成するために、具体的な戦略を立て、タイミング良く適切なメディアでPR活動を展開していくのです。実際にはうまくいかないこともあるでしょう。その際は、試行錯誤を繰り返し、戦略をより良いものに洗練させることも必要です。


もし自分で適切な戦略が見つからない場合は、PR会社に相談することも一つの手段です。彼らは豊富な経験と知識を持っているため、効果的なPR戦略を提案してくれるでしょう。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

顔写真 (2).jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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