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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

PR戦略の一環として、PRイベントを開催する方法があります。記者発表会や内覧会などを通じてメディア関係者に取材してもらい、その内容を記事で紹介してもらうやり方です。


特に、記者発表会は最も一般的なPRイベントです。直接メディア関係者に情報を伝える機会を持てるため、プレスリリースを配信するよりも効果が高くなります。


しかし、記者発表会を開催したからといって、多くの記者が出席するとは限りません。出席者の数は、発表内容がどれだけ世間の関心を引くかによって大きく変わります。


たとえば、芸能人の結婚発表や企業の不祥事のお詫び会見には、多くのメディアが集まります。また、発表する人物の影響力も重要です。総理大臣の記者会見に必ずメディアが参加するのは、国の政策に関わる重要な情報が発表される可能性が高いためです。


以上のことから、記者発表会の成功には、以下の要素が重要となります。


・世間の関心を引く内容であること

・発表する人物が影響力のある人であること


しかし、すべての企業が世間の注目を集める内容を持っているわけではありません。この場合、業界に特化した内容を発表することで、業界メディアの関心を引くことができます。こうしてPR戦略・戦術を練り上げることが重要です。


さらに、内容が弱いと感じる場合、著名人を招いての記者発表会を行う方法もあります。新CM発表会で新たなタレントを招き、多くの取材陣を呼ぶという手法です。ただし、著名人を招くには費用がかかります。費用をかけたにも関わらず取材人数が少なかった場合、PR戦略の失敗という結果になってしまいますので、ゲストの選定は慎重に行う必要があります。


また、記者発表会の案内を作成する際には、どの程度の情報を事前に伝えるかが重要です。発表内容を詳細に書きすぎると、記者が発表会に出席する必要がなくなります。一方、情報が少なすぎると、関心を引くことができません。私の考えでは、タイトルとポイントを記載し、発表内容の概要を伝えつつ、記者発表会に出席したいと思わせるような案内を作成するのがベストであると考えます。


記者発表会の成功には経験が重要です。確実に成功させたい場合は、PR会社に任せるのが一番です。

 

 

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前回のコラムでPR会社の役得についてお話ししましたが、その反対に、「これは失敗だったな」と反省することもあります。今回は、「失敗」について書いてみたいと思います。


PR会社の失敗と言えば、PRがうまくいかなかったことなのですが、「これは仕方なかったのでは……」と思えるような失敗もあります。


たとえば、PRイベントの案内を出したのに、イベント当日に「どうも今日はメディアや記者の数が少ないな……」と思っていたら、同日・同時刻に競合するイベントや記者発表会などが重なっていたことがあります。「しまった……」と思っても、もう日付や時間は変えられません。場所の予約やタレントさんのスケジュールなどもありますので。


また、取材陣は数多く来場しても、その後、ほとんど番組や記事などで取り上げられないケースもあります。たとえば、芸能人や有名人を起用したイベントの場合、では、当事者やその著名人と近い人物の不法やスキャンダル(文春砲など)が判明すると、ほとんど紹介されなくなってしまいます。せっかく取材にキてくれたのに、記事や番組がお蔵入りになってしまうと、徒労感だけが残ります。


こうした失敗は自責ではないといっても、やはり時間とお金をかけてPRを企画したクライアントには申し訳ない気持ちになってしまいます。なので、最近では「週刊文春」が発売される木曜日にイベントを企画するのはあまりおすすめしていません(笑)


それ以外の失敗では、イベントが紹介されたテレビ放送に偶然自分が映り込んでしまったケースです。友人からは「テレビに出ていたね。よかったね」などと言われますが、私たちPR会社は「黒子」的な存在であるべきなので、「ああ、やってしまった!」と落ち込むことの方が多いです。


たとえば、マイクを渡す時など、どうしても映り込んでしまうのは仕方ありませんが、取材時のテレビカメラの位置を把握しきれていなかった結果、映り込んでしまった……というケースはプロ失格だと思うのです。


みなさんには、「PR会社の人間は極力写り込まないようにしているんだ」ということを知っていただければ幸いです。

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過去の回で、たびたび弊社の得意とするパブリッシングについてお話ししてきました。ここで、あらためて、なぜ多くの企業がパブリッシングをPR戦略として活用するのか考えてみたいと思います。その理由は大きく3点考えられるでしょう。


1. 費用対効果が高い


パブリッシングの最大のメリットは、費用がほとんどかからないことです。テレビCMをPRに活用しようとすると、かなり高額な広告費用が必要となります。わずか15秒、30秒のスポットCMを流すだけでも、制作費を含めて数百万円単位のお金がかかることもあります。


しかし、プレスリリースを作成してメディアに送るだけであれば、通信費以外のコストがほぼかかりません。そのため、パブリッシングは成功すれば費用対効果が非常に高い方法となるのです。


2. 信頼性の向上


自社のウェブサイトでどれだけ商品の良さをアピールしても、読者はその情報の信ぴょう性を疑います。しかし、大手メディアで紹介されると、「〇〇新聞が言っているから」「××テレビが紹介しているから」といった具合に、信頼性が大幅に高まります。これは、大手メディアが情報の裏付けを必ず行い、誤った情報を流さないよう徹底しているからです。


3. 拡散力が強い


大手メディアに取り上げられると、その情報はYahoo!ニュースやその他のポータルサイトなどで転載されることがあり、広範囲に情報が拡散する可能性があります。また、確かな情報としてSNSで共有されることも多く、さらなる拡散が期待できます。記者や編集者がメディアからの情報を元に取材を行うこともあり、これがさらにパブリシティ効果を高める要因となります。


注意点


これらのメリットがある一方で、紹介されるための要素がなければ、いくらプレスリリースを送ってもメディアに取り上げてもらえません。自社でメディアPRを推進すれば費用は抑えられますが、必ずしも成功するとは限りません。経験豊富なPR会社に相談し、成功の可能性を高めるためのアドバイスを受けることをお勧めします。


以上のように、パブリッシングには多くのメリットがありますが、成功するためには戦略的なアプローチが必要です。パブリッシングにおける費用対効果を高めるためには、信頼性のあるストーリー作りも不可欠となります。

 

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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