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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

「スポーツの秋」がやってきましたね!私もランニングを始めてもう15年ほどになります。最近は1キロあたり5分ちょっとのペースで、月間平均で約80㎞くらい走っています。(走る人にはこの速さがどれくらいか、なんとなくわかるかもしれませんね)。


ランニングを始めたきっかけは、知り合いがマラソンをやっていると聞いたことです。「自分も試してみたい」と思い立ち、走り始めました。途中、数年間休んでいた時期もありましたが、引っ越してから家の近くによい公園があり、再び走りやすい環境が整ったので、また続けられるようになりました。


よく「走って何が楽しいの?」と聞かれるのですが、これって好き嫌いの話と同じで、嫌いな人にはどれだけ説明しても伝わりにくいんですよね。例えば、好きなタレントや俳優がいるとしても、その理由を他の人に説明するのは難しいですし、相手に理解してもらえても、その人が同じように好きになってくれるわけではないですよね。


実際、自分でも「何が楽しいのか」と言われると、うまく説明できないんです。ただ、続けられた理由として思い当たることはいくつかあります。


まずは「時計」です。タイムを測るようになり、少しでも速く走れると嬉しくて、また走りたくなるんです。ランニング用の時計を使うとラップタイムもわかるので、より自分の走りが見えるようになりました。


次に「スマホアプリ」です。ランニングの記録が簡単に取れるようになり、タイムが残るので、走った距離やペースが一目でわかります(あまり深くは分析していませんが……)。


そして「レースへの参加」です。東京マラソンに当選して参加できたことがきっかけで、走る楽しさに目覚めました。コロナ禍の影響でレースが減り、最近は参加できていませんが、「レースに出る」という目標ができたことで走るための意欲が高まったのは事実です。


ランニングを始める理由やモチベーションは人それぞれ。ダイエットや運動不足解消を目的にする人もいれば、かっこいいシューズやウエアをきっかけに始める人もいるでしょう。私の場合は、たまたまランニングに出会った感じですが、実際にやってみないと自分に合うかどうかはわかりませんよね。


ランニングが続けられたのも偶然の出会いですが、これはPRにも通じるところがあると思います。自分が興味のないことでも、まずはやってみる。これが新しいことを知るきっかけになります。PRに携わる皆さんも、知らないことに積極的にチャレンジするのをお勧めします。


走るのが苦手な方も、まずは一度走ってみてはいかがでしょう?もしランニングが自分に合わないと気づいたとしても、それは大切な発見だと思いますよ!(笑)

 
 

先日、このブログで「経営学はPRに役立つ」というテーマで、いくつかの経営学書を紹介しました。しかし、実はもう一冊、ぜひ紹介したい本がありました。それが、クレイトン・クリステンセンの『ジョブ理論』です。彼は『イノベーションのジレンマ』で有名になりましたが、この『ジョブ理論』もまた、製品やサービスの成功を理解するための強力なフレームワークです。


ジョブ理論とは?


ジョブ理論では、消費者が製品を購入する理由を「その製品が果たすジョブ(役割)」として捉えます。つまり、消費者は製品そのものではなく、その製品が自分のニーズをどのように満たしてくれるかに注目しているのです。


例えば、朝にコーヒーを買う理由を考えてみましょう。単に「コーヒーが好きだから」ではなく、朝の眠気を覚ましたり、リラックスするためにコーヒーを選んでいることが多いでしょう。つまり、コーヒーという製品は「眠気を覚ます」というジョブを果たしているのです。


PRにおけるジョブ理論の重要性


では、なぜジョブ理論がPRにおいて重要なのでしょうか。それは、製品の特性だけを伝えるだけでは、消費者がその製品を選ぶ理由を十分に伝えられないからです。消費者は、その製品が自分の問題をどう解決してくれるのか、つまりどんなジョブを果たしてくれるのかに興味を持っています。


例えば、新しい掃除機をPRする際に、単に「吸引力が強い」「軽量で使いやすい」と特徴を並べるだけではなく、「忙しいあなたの時間を節約し、家庭を常に清潔に保つパートナー」として紹介することで、消費者にその掃除機が果たすジョブを具体的に伝えることができます。


なぜジョブ理論を紹介しなかったのか?


ここまで「ジョブ理論はPRに役立つ」と言いながら、先日のブログでこの理論を紹介しなかった理由をお話ししましょう。実は、先日のブログの原稿はAIのアシストを受けて執筆したものだったからです。もちろん、紹介した本は全て読んでいますが、「経営学がPRに役立つというテーマでコラムを書いてください」といったプロンプトを入力すれば、ブログの原稿は半分くらいできあがってしまいます。


AIは「人間の知能を備えたコンピュータープログラム」という製品ですが、どのように活用すればいいのかイメージが湧かないこともあるでしょう。しかし、ジョブ理論を用いれば、AIの役割を「ブログ原稿の作成時間を短縮するためのプログラム」として位置づけることもできます。


少し言い訳っぽくなってしまいましたが、ジョブ理論を理解することで、PRの幅もさらに広がるかもしれませんよ!


もちろんこの原稿もAIに助けてもらっています(笑)

 
 

前回は、SNSの普及によりAISASモデルが複雑化したことをお話ししました。今回は、その複雑化した消費者行動に対して、どのようにPR戦略を立てていけば良いのかについて解説します。

 

従来のPR施策と現代の若者層へのアプローチの課題

従来のPRは、テレビや新聞といったマスメディアを通じて行われていました。しかし、最近では特に若者の間で、テレビを見ない、新聞を読まない人が増えています。その結果、従来のメディアを使ったPRでは、若者にリーチするのが難しくなってきました。


若者のメディア消費の変化

若者は、インターネットやSNS、動画配信サービスなどのデジタルメディアを中心に情報を集めています。スマートフォンやタブレットを使って、いつでもどこでも情報を得ることができる環境に慣れ親しんでおり、テレビや新聞といった伝統的なメディアの利用は減少しています。このようなメディア消費の変化により、従来のPR手法が若者に届きにくくなっているのです。


総合的なアプローチの必要性

このような状況に対応するためには、PR施策だけでなく、WEB施策やSNS施策を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。




 

1. PR施策(図の①部分)

従来のPR施策は、主にテレビや新聞などのマスメディアを通じて行われていました。しかし、現在はそれに加えて、Web広告やプレスリリースの配信、PRイベントの開催など、さまざまな手法を組み合わせる必要があります。これらの施策は「Attention(気づき)」と「Interest(関心・興味)」の段階で効果を発揮します。

2. WEB施策(図の②部分)

若者層は、検索エンジンやウェブサイトを利用して情報を収集する傾向が強いです。そのため、SEO対策やウェブサイトのリニューアル、オウンドメディアの開設、さらには動画コンテンツの提供が重要となります。これにより、「Search(検索)」段階での接触機会を増やし、消費者が求める情報をスムーズに提供できます。

3. SNS施策(図の③部分)

SNSは若者が最も多く利用するメディアの一つであり、ここでの施策が非常に効果的です。SNSアカウントの開設・運営やSNS広告、インフルエンサーの活用などを通じて、消費者と双方向のコミュニケーションを図ります。これにより、「Interest(関心・興味)」や「Action(行動・購買)」だけでなく、「Share(共有)」の段階でも大きな影響を与えることが可能です。

 

これらの施策を組み合わせることで、複雑化したAISASモデルに対応する総合的なPR戦略が構築できます。特に若者層に向けては、テレビや新聞などの伝統的なメディアだけでなく、WebやSNSを積極的に活用することが不可欠です。これにより、消費者のさまざまな接点でのエンゲージメントを強化し、より効果的なマーケティングが実現できるでしょう。

 

この図を活用することで、現代のPR戦略がいかに総合的で柔軟なアプローチを必要としているかが視覚的に理解しやすくなります。企業は、ターゲット層のメディア消費の変化に対応し、適切な施策を組み合わせることで、競争力を高めることが求められています。

 
 

著者・橘川徳夫 プロフィール

顔写真 (2).jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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