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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

前回は代表的なPRイベントである記者発表会についてお話ししましたが、今回は「メディア内覧会」についてご紹介します。


弊社がPRを担当する展覧会では、通常、開催日の前日にプレス向けの内覧会を実施します。これにより、メディアは展覧会を一足先に体験し、その内容を記事や番組で紹介してくれます。記者が実際に展覧会を見てその魅力を伝えることで、広く一般に展覧会の魅力を効果的に伝えることができるのです。これは、一般の人々に抽選で体験してもらうよりも効率的かつ効果的です。


また、新しい商業施設やアミューズメント施設でも、オープン前にメディア向けの内覧会を行うことが多く、皆さんもテレビなどでその様子を目にしたことがあると思います。


展覧会や大規模施設のオープンのような話題性のあるイベントを企画するのは難しいと感じる方もいるかもしれません。しかし、規模が小さくても、メディアに取材してもらうようなイベントを企画することは可能です。


例えば、新しいお店のオープン時には、地域のメディアを招待して内覧会を開催することができます。飲食店であれば、内覧会で無料試食を提供することで取材を促すこともできるでしょう。また、お店以外でも商品の体験会を企画すれば、記者が実際に商品を体験し、その感想を記事にして紹介してくれるかもしれません。


つまり、記者に実際に体験してもらい、その内容をメディアを通じて広めてもらうことで、ターゲットに対して効果的にアピールすることができというわけです。


もちろん、自分たちの意図通りに報道されるかどうかは保証できませんが、PR戦略をしっかり立てることで、ある程度は好ましいかたちで進めることが可能です。


メディア向けの内覧会は、自社商品のアピールポイントをメディアに理解してもらう良い機会です。もしPRアイデアに悩んでいる場合でも、記者向けに何かしらのPRイベントを企画することでメディアの注目を集めることができるでしょう。PR戦略・戦術を考える際には、「メディア内覧会」をぜひ検討してみる価値があります。

 

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最近、「自分の会社を紹介してください。」と言われ、自社をどのように紹介すればいいのか悩んでしまいました。普段からクライアントにPRを薦める提案をしているのに、自社のこととなると途端にどうすればいいのか迷ってしまいます。

 

これは他社もそうなのではないかと思います。なぜなら、PR会社が自社の存在をPRする広告やプレスリリースを今まで見たことがありません。


では、なぜPR会社は自社PRがあまり得意ではないのでしょうか?


仕事柄、やはり私たちPR会社の人間は黒子に徹して行動するのが基本です。そのため、いざ自分が前面に立ってアピールするとなると、どのように振る舞っていいのか戸惑ってしまうことがあるのかもしれません。これは、芸能人とマネージャーの関係と少し似ているように思います。所属タレントを売り出さず、マネージャーばかりが目立ってしまうのでは本末転倒です。このような体制では、タレントはとても仕事がやりにくくなってしまいます。


PR会社も同じです。PRイベントでクライアントより目立ってしまえば、クライアントからのクレームが爆発してしまうはずです(笑)。


また、PR会社の営業スタイルも影響しているかもしれません。私たちの営業スタイルは、どちらかといえば「プル型」です。飛び込み営業などもあまりやりませんし、基本的には従来から取引のあるお得意様に密着しながら仕事をすることがほとんどです。したがって、いまさら自分の会社を強くアピールする機会もあまり多くないのです。


要するに、PR会社はあまり自社のPRをそもそも行いにくい状況にあるのだと思います。なにやら言い訳じみた結論になってしまいましたが、仕方ありません。


というわけで、このブログは、私たちの数少ない自己アピールの場でもあるわけです。もしこのブログが多くの人に読まれるようになった暁には、ぜひ、「自己PRが上手いPR会社」だとご評価のほどよろしくお願いいたします!

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美術館のPRを担当していると、周りから「美術に詳しいんでしょう?」と聞かれることがよくあります。でも、実を言うと、この仕事を始める前は美術にほとんど興味がなく、知識もほぼゼロでした。今では一般の方よりは少し詳しいかもしれませんが、美術業界の専門家と比べるとまだまだです。


それでも、PRは問題なくできています。なぜなら、PRとは「知られていないことを人々に知ってもらう活動」だからです。実際、知らないからこそPRがうまくいくことも多いのです。


例えば、中途半端な知識や知ったかぶりをすると、かえってPRがうまくいかないことがあります。でも、知らないからこそ「どうしてみんなが興味を持つんだろう?」「この作品の魅力は何だろう?」といった疑問を持つことができ、そこから面白いPRのアイデアが生まれるのです。


PRを依頼する人が、「多くの人に知ってもらいたい」「使ってもらいたい」と思うなら、知らない人にこそPRをお願いすべきです。その方が、一般の人々の視点に近いので、共感を得やすいのです。


もちろん、最低限の知識がないと魅力を伝えることは難しいので、そのバランスは難しいところです。しかし、このコラムは私の知識不足の言い訳ではありませんので、どうぞご理解くださいね(笑)。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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