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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

SNSを活用したPR方法について、最近特にお問い合わせをいただくようになりました。当社も現在とても力を入れている分野でもありますので、ここではまずSNSを活用したPRを行う際に押さえておくべき事項を解説します。


SNSは一種のメディアとみなすことができますが、テレビや新聞といった従来型のメディアとは性質が異なります。これまでのメディアは必要な情報を広く届けることが目的でした。しかし、SNSはユーザーが自分の発信したい情報を自由に発信する場です。そのため、発信者は受け手の反応を重視せず、自分の好き嫌いに基づいて情報を発信することが多いです。


また、仲間内で共感できる情報を共有する傾向が強く、仲間外れの人々は意識されません。SNSは必要な情報を提供するというよりも、自分の声を聞いてもらうことが目的のメディアなのです。


情報が広まるためには、共感を呼ぶ内容や、何かに反論する内容が求められます。


SNSの投稿がニュースで話題になる際は、このどちらかに該当するケースがほとんどです。つまり、企業がSNSで情報を広めたいと思ったら、自社製品やサービスで共感を得るとともに、ユーザーのを引く内容を発信しなければなりません。


真面目な内容では関心を引くのが難しいため、バズる可能性は低いです。しかし、あまりにネガティブな内容を含む投稿を発信するのは高いリスクを伴います。


以上から、企業がSNSを使って情報を広めるのは意外に難易度が高くなるため、補完的なメディアとして活用されることが多いようです。


効果的なPR手法としては、インフルエンサーマーケティングがあります。ネット上で影響力が高い有名人(インフルエンサー)に投稿してもらい、情報の拡散を図る方法です。これは現在、SNSのPRで最も有力な手法で、インフルエンサーの紹介を専門に行う会社も数多く存在します。


インフルエンサーを起用する際には、単にフォロワー数の多さだけで選ばないことが重要です。SNS上では、ユーザーの興味のある分野の投稿以外は見られないため、当該インフルエンサーのフォロワー層が、あなたが情報を広めたいターゲット層と一致している必要があります。そうでなければ、いくらそのインフルエンサーが多くのフォロワーを抱えていたとしても、情報の拡散は望めないでしょう。


また、インフルエンサーを紹介する会社に仲介を依頼すると、当然ながら少なくない費用がかかります。また、昨今の景品表示法改正を受け、インフルエンサーを起用したマーケティングを行う際のPR表記ルールが厳格化されました。法的に正しい手続きを取らないPRを行えば、「ステルスマーケティング」ととらえられ、かえって起業イメージを大きく損なうリスクもあります。


このように、SNSを活用したPR手法には良い面・悪い面が存在しますが、どんな状況においてもこれさえやっておけばうまくいく、といった確実な方法はありません。とはいえ、試行錯誤を繰り返し、あなたの会社や業界にあった成功パターンを見つけることができれば、強力なPR手法となる可能性を秘めているメディアだといえるでしょう。

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昨年社長になりました。これまで経営学には興味があったので、経営戦略を中心に多くの専門書を読んできました。実践も含め、経営学の知識やノウハウはそれなりに身につけられたと自負しています。


PR活動を行う際、企業経営に関する学問である「経営学」は、それほど関係ない分野に捉えられがちですが、実際は深く関わりがあります。PRをより効果的に行うためには、経営学の知識が大いに活用できるのです。そこで、今回は経営学がどのようにPRに役立つかについて解説させていただき、私がぜひおすすめしたい経営学の入門書も紹介したいと思います。


1. マーケティングの基礎知識

経営学の中でもマーケティングは、ターゲット市場の理解とその市場へのアプローチ方法を学ぶ上で重要です。PR活動においても、ターゲットオーディエンスを正確に把握し、彼らに響くメッセージを発信することが不可欠です。マーケティングの基本を学ぶことで、効果的なPR戦略を立てることができます。


2. 戦略的思考

経営学では、限られたリソースを最大限に活用するための戦略的思考が重視されます。PR活動でも、予算や時間、スタッフの制約を考慮しながら最大の効果を上げるための戦略が求められます。競合他社との差別化を図り、自社の強みを生かしたPR戦略を立案する際に、経営学の知識は非常に役立ちます。


3. 消費者心理の理解

経営学では、消費者の心理や行動を理解するための理論や手法が数多く紹介されています。これらの知識をPRに応用することで、ターゲットの関心を引き、その行動を促すことが可能になります。効果的なメッセージを作成し、適切なタイミングで発信するためには、消費者心理の理解が不可欠です。

 

以下に、私が経営学を学ぶ上でPR活動に役立つ経営学のおすすめの書籍をいくつか紹介します。これらの書籍は、基本的な経営学の知識を身につけるだけでなく、PR戦略の立案にも大いに役立ちます。

 

『ブルー・オーシャン戦略』(W. チャン・キム、レネ・モボルニュ)

競争の激しい市場ではなく、新たな市場を創造するための戦略を学べます。

 

『マネジメント』(ピーター・ドラッカー)

経営学の基本を学ぶための名著で、PR活動を含むビジネス全般に役立つ知識が満載です。

 

『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ)

人々の行動に影響を与える要素を解説しており、PR戦略の策定に役立ちます。

 

『リーン・スタートアップ』(エリック・リース)

小さなリソースで大きな成果を上げる方法を学べるので、効果的なPR活動にも応用できます。

 

経営学の知識をPR活動に取り入れることで、より効果的で戦略的なアプローチが可能になります。これらの書籍を参考に、実践的な知識を身につけてみてはいかがでしょうか。

 

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これまで2回にわたって、PRイベントの考え方についてお話ししてきました。今回は、PRイベントを成功させるための具体的なポイントについてお伝えします。


1.問い合わせ先の電話番号を必ず記載する


PRイベントの目的は、プレスリリースを送って記事を書いてもらうことではなく、取材をしてもらうことです。そのためには、取材者がスムーズに問い合わせできるよう、連絡先を整えることが重要です。特に、プレスリリースに問い合わせ用の電話番号を記載することが不可欠です。


最近では、リモートワークの普及によりメールアドレスのみを記載するケースが増えています。しかし、記者は迅速な回答を求めています。特にテレビの取材では、電話での問い合わせが主流です。メディアからの電話連絡に対して即座に対応できることで、取材の決定が迅速になり、記者からの取材リクエストに応える確率が高まります。


2.取材する記者を公平に扱う


PRイベントで取材を受ける際は、記者を公平に扱うことが重要です。特定のメディアを優遇したり、取材機会を独占させたりすると、他のメディアから不満を抱かれかねません。取材時の公平性が欠けると、取材内容や報道の質に悪影響を及ぼすことがあります。


特に芸能系のメディアでは、カメラ位置が重要な要素です。取材する側にとって、良い映像を撮るためのカメラ位置は評価に直結します。そのため、取材エリアの配置に公平性を欠くとトラブルになることがあります。事前に公平な対応を徹底し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。


3.メディアを過度にお客様扱いしない


また、取材される側が必要以上に神経質になったり、へりくだったりする必要はありません。取材する側と取材を受ける側は、対等な立場です。メディアを過度にお客様扱いする必要はありません。もちろん、失礼な対応は避けるべきですが、必要以上に要望に応えたり、リクエストを受けたりする必要はありません。


メディアとのコミュニケーションの取り方や接し方については、イベントを開催するごとに徐々に勘所がつかめるようになりますが、もし対応に不安がある場合は、PR会社の利用を検討するのも一つの方法です。


PRイベントを成功させるためには、迅速な対応と公平な姿勢が求められます。これらの基本を押さえ、効果的なPR活動を展開しましょう。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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