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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

これまでの実践講座では、ターゲットの変化やそのアプローチ方法についてお話してきました。今回は、PRにおけるメディアの変化についてお話ししたいと思います。


私がPRの仕事を始めた1990年代、主な情報発信の場は紙媒体でした。テレビにも影響力はありましたが、無料で紹介してもらうハードルが高く、PR戦略の中心は新聞や雑誌、フリーペーパーといった紙媒体にありました。


紙媒体ではテキストを使って情報を伝える必要があり、5W1Hを基本にした明確な文章作成が求められていました。また、興味を引く内容にしないと読んでもらえないため、文章の工夫が不可欠でした。


しかし、インターネット時代になり情報量が急増。その結果、長い文章を嫌う人が増えています。この傾向はインターネットメディアの進化にも表れていて、まずブログが登場し、好きなことを書いて交流する場として活用されるようになりました。その後、140文字で気軽に発信・拡散できるTwitter(現X)や、身近な出来事を共有するFacebookが普及し、短い投稿ほど読んでもらいやすくなり、「いいね」も増えるようになりました。


最近では、InstagramやTikTokのように写真や動画を中心としたSNSが主流になり、文字を読まずにビジュアルだけで情報を得る人が増えています。どうしても詳しく説明しようとするとテキストは長くなりがちですが、プレスリリースなどではリード文を工夫して、短い中でも伝わる表現を心がけることが大切です。


情報があふれる今の時代、若い人たちは写真や動画といった視覚情報を好み、短時間で理解できる方法を求めています。しかし、だからといってテキスト情報が不要になるわけではありません。読んでもらうための工夫を凝らすことがますます重要です。


次回は、テキストを読んでもらうための具体的な工夫についてお話ししたいと思います。

 
 

10月1日から郵便料金が値上げされ、はがきは63円から85円になりました。数年前までは50円程度で日本全国どこでも届いたことを思うと、本当にお手頃だったなと感じます。でも、人手不足や物価高騰を考えれば、これも時代の流れなのでしょう。


昔は、通信手段といえば電話や郵便が中心でした。しかし、今ではインターネットが発達し、LINEやSNSのメッセージ機能を日常的に使うようになりました。若い世代は電話さえあまり使わず、迷惑メールのイメージが強いEメールも嫌われるほど。そんな中で「はがきで連絡を取ろう」と思う人が少なくなっていくのは当然かもしれません。


私たち中高年世代は、ポケベルや携帯電話、スマホへと通信ツールの移り変わりを経験してきましたが、若い世代は生まれた時からスマホがある環境で育っています。そう考えると、郵便やはがきの文化が薄れていくのも時代の必然なのかもしれませんね。


特にはがきといえば、年賀状や暑中見舞いが真っ先に思い浮かびます。私も小学生の頃から毎年年賀状を出してきました。大学時代には、先輩たちに言われてお世話になった方々へ出していました(書くのが大変でした)。社会人になってからは200通近く出していた時期もあります。


結婚後、イラスト制作ソフトを覚えたことで年賀状デザインに凝るようになり、「今年も楽しみにしているよ!」と言われることがプレッシャーに感じて、正直、何度も「もうやめたい…」と思ったこともあります(笑)。


最近では、「年賀状をやめます」というお知らせはがきが届くことも増えました。実際、何年も直接会っていない人と年賀状だけでつながっているケースも多いですよね。それでも、私は今のところ年賀状をやめるつもりはありません。


その理由は、年賀状には送る人やその家族の個性や人柄が表れていて、受け取ると「またつながっていたいな」と思えるからです。こうした年賀状文化は、日本独自の素晴らしい習慣の一つだと思います。それが減っていくのは少し寂しいですね。


さて、そんなことを言いながら、今年の年賀状の内容はまだ決まっていません。そろそろ考えなければ…ということで、今日はこの辺で失礼します!

 
 

前回は、ペルソナの設定について、お話をしてきました。今回はペルソナに響くコンテンツ制作のポイントについてお話をいたします。


設定したペルソナに基づいてどのようなコンテンツを制作するかが今後のPR活動に大きく影響してきますので、ペルソナに寄り添ったコンテンツは、ただ情報を伝えるだけでなく、彼らのニーズや価値観に共感し、購買意欲を引き出す力を持っています。

 

1.ストーリーテリングを活用する


感情的に訴えかけるためには、ストーリーテリングが有効です。ペルソナが共感できる物語を通して商品やサービスを紹介することで、自然に関心を持たせることができます。商品やブランドの「ストーリー」を伝えることで、感情的なつながりを築き、ペルソナの購買行動を促すことができます。


例: 「仕事に追われているあなたでも、1日5分でできる簡単なフィットネスプログラム。通勤中でもできるストレッチ法で、ストレス解消と健康管理が両立できます。」


このように、ペルソナのライフスタイルや感情に寄り添ったストーリーを作り出すことで、無関心層にも関心を持ってもらえる可能性が高まります。

 

2.視覚的なコンテンツの強化


現代の消費者は、文字だけの情報よりも視覚的なコンテンツに引きつけられる傾向があります。ペルソナがよく使うSNSやプラットフォームに合わせて、ビジュアルコンテンツを強化することが大切です。例えば、短い動画やインフォグラフィックを使って、ペルソナが理解しやすい形でメッセージを伝えるのも一つの手です。

 

3.インタラクティブな要素を取り入れる


ペルソナが無関心層である場合、情報をただ一方的に伝えるのではなく、彼らが参加できる体験型コンテンツを提供することが効果的です。例えば、クイズやアンケート、ライブ配信などを通じて、ペルソナがアクティブに関わる機会を作り、興味を持たせることができます。

 

ペルソナ分析は一度設定したら終わりではありません。市場や消費者の行動は常に変化しているため、定期的にペルソナを見直し、実際のデータに基づいて調整していくことが必要です。ペルソナのニーズや行動の変化をしっかりと把握し、それに合わせたコンテンツ制作を続けることで、無関心層への効果的なアプローチが可能になります。


まとめ


ペルソナ分析をさらに深掘りし、無関心層に響く具体的なコンテンツ制作の方法を考えてきました。ペルソナの行動パターンや感情、ニーズをしっかりと理解し、それに基づいてストーリーテリングやビジュアルコンテンツ、インタラクティブな体験を取り入れることで、無関心層にも関心を持ってもらえる可能性が広がります。

 
 

著者・橘川徳夫 プロフィール

顔写真 (2).jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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