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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

前回のブログでは、PR活動は継続が大切だとお話ししました。どんなに良い戦略を立てても、途中で諦めてしまっては効果は出ません。しかし、長く同じ戦略に固執するのも効果的ではないかもしれません。


実は、PR活動はPR会社や広告代理店に頼らなくても、自分たちで行うこともできます。このブログを参考にしていただければ、ある程度のPR戦略や方策を立てられるでしょう。自分たちでPRを行えばコストも削減でき、うまくいけば費用対効果は高まります。


でも、それならPR会社は必要ないのでしょうか?


PR会社の最大の強みは、豊富な手法を持っていることです。これまでのブログでも、メディアPRを中心に様々な方法を紹介してきました。PR会社には豊富な経験や事例があり、成功した事例だけでなく、失敗した事例から学んだノウハウも持っています。そのため、的確なアドバイスやPR企画を提供できるのです。


一方、自社でPRを展開する場合、自分たちの考えに固執し、新しいアイデアが出にくくなることがあります。もちろん、PR会社も斬新な企画を出しても採用されないことがありますが、その過程で新しい視点や考え方を提供し、次回以降のPR策に活かすことができます。


また、PR会社に依頼することで省力化も図れます。前回もお話ししましたが、PRは地道な業務を継続的に行う必要があります。専任のPR担当者を置いても、進め方によっては業務がなくなることもあるかもしれません。


しかし、PR会社に依頼すれば、他の業務を行いながらPRを進めることができます。専任担当者を置くコストが企業にとって効果的かどうかは重要なポイントです。そのため、ある程度規模の大きい企業でないとPR専任担当者を置くのは難しいかもしれません。


このように、PR会社をうまく活用することで、コストを含めた効果を高めることができます。自社でPRを進めることを否定するわけではありませんが、まずはPR会社に相談することをお勧めします。

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約2週間に及ぶパリオリンピックが終わりました。日本は金メダル20個、銀メダル12個、銅メダル13個の計45個のメダルを獲得するなど、海外で開催するオリンピックでは過去最高の戦績を挙げることができました。


私も日本がここまでメダルを取れるとは思っておらず(選手の皆さんすみません)連日の快進撃にとても驚かされました。オリンピックは、活躍する自国選手の姿に国民全体が勇気づけられる国家レベルでの一大エンターテイメントの場であることをあらためて実感しました。表彰台に上がる、上がらない関係なく、全力を出し切る選手たちの姿は、見る人に大きな感動を与えたことでしょう。


さて、今回のオリンピックの報道で目についたのが、SNS上での選手に対する誹謗中傷です。


SNSは、個人的に思ったことを自分の仲間に伝えるコミュニケーションツールです。感じたことをそのままつぶやいてしまいたい気持ちは私にも理解できます。

我々のようなおじさん世代は、そういったトピックはSNSではなく、居酒屋で話すことが多かったかもしれません。仲間内の話ですから、多少の誹謗中傷などは酒の肴みたいなものですから、よほどのことがない限り、そういった悪口などが選手に届く可能性は低く、ましてやニュースで伝えられる機会はまずありません。


しかしこれがSNSだとどうでしょうか。あなたの投稿は自分の知らない人たちの間で瞬時に共有される可能性があります。実際、拡散した中傷などがアスリートの目に触れてしまうケースも多々あり、彼らのリアクションを通してテレビなどのニュースでも話題となっていくわけです。


SNSは、便利で自分の思いを共有するために適したツールではありますが、匿名性が高く、誹謗中傷しても自分に害が及びません。したがってネガティブな内容が拡散しやすくなります。現実世界では口にしづらいような主張を誰かが投稿すると、そこに共感が集まり、「いいね」やリポスト等によって拡散してしまうわけです。また、ニュースメディアなどもネガティブで刺激的な内容を好んで取り上げる傾向にあり、結果としてSNS上で行われる誹謗中傷の拡散を助けてしまっているところがあります。


人間は、不満や怒りなどの感情が芽生えることを抑えることができません。私もパリオリンピックでは、審判や外国人選手への不満を抱いたり、日本人選手に対して不甲斐なさを覚えたこともありました。しかし、そういったネガティブな内容をSNSに投稿しようとは思いません。フォロワーが多寡に限らず、一旦投稿が拡散してしまうと自分ではどうすることもできません。拡散が進んでから投稿を削除しても、元の投稿のスクリーンショットが出回り、拡散が止まらないケースも多々あります。


SNSは、情報がいち早く広く伝えるには便利なメディアですが、使い方を誤ると他人を傷つけてしまう凶器にもなりえます。常日頃からPR活動に携わっているとSNSの怖さを実感します。


SNSでのアスリートに対する誹謗中傷は、オリンピックで頑張った選手に水を差すものでしかならず、誰もプラスにはなりません。今後も注目度の高い国際的なスポーツイベントが開催されるたびに同様のケースは発生する可能性があります。ぜひ、みんなが納得するような良い対策を考えていきたいものです。

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PRの手法以外について、数回にわたりお話ししてきましたが、今回はPRの問題点やその効果について掘り下げてみましょう。


PRは即効性がある場合もありますが、うまくいかないことも多いものです。企業としては、早急に効果を実感したいと思うのが当然ですが、短期間の効果に終わってしまうと、PRが失敗したと感じることになります。逆に、効果が継続すれば費用対効果も上がり、広告など他の戦略とも相乗効果を発揮することができます。


例えば、タレントを使ったPRイベントは、その瞬間は大きな注目を集め、メディアにも多く取り上げられますが、タレント頼みではその効果が一時的なものになりがちです。そのため、長期的な視点でPR効果を考えることが重要です。


弊社が手掛ける展覧会のPRは、長期的なスパンで展開するのが特徴です。大規模な展覧会では、1年以上前からPRを開始し、最適なタイミングでメディアに露出するようスケジュールを組んでいます。これにより、一過性のPRではなく、持続的なPR効果を狙っています。


一過性のPRが悪いわけではありません。場合によっては、一時的な盛り上がりが必要なこともあります。例えば、新商品の発売前にメディアPRを行い、話題を先行させた上でCMを放送すれば、その効果が長続きすることがあります。


持続的なPRが理想ですが、これは容易なことではありません。企業は早く持続した効果を求めますが、同じ手法を繰り返すと効果が薄れるため、新しい戦略を考える必要があります。


また、一度の失敗でPRがうまくいかないと諦めるのではなく、地道にプレスリリースを送り続けることが重要です。タイミングや内容によっては、メディアに取り上げられることもあります。PR効果が一時的であることは避けられませんが、計画的にPR活動を行うことが成功への鍵となります。


以上のように、PR戦略では「継続」と「タイミング」が重要です。長期的な視点と柔軟な対応で、持続的な効果を目指しましょう。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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