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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

ここ数回のブログでは、PR会社に対するいくつかの疑問(例えば、いつまで続けるのか、コンサルの必要性、予算など)について率直にお話ししてきました。今回は、よく聞かれる「PRするネタがない」という悩みについてお話しします。


特にメディアPRを進めるには、「新しさ」「面白さ」「役に立つ」の3つの要素が必要です。企業が毎月新商品や新規サービスを開発するのは難しいです。1年に1回でも大変です。そのため、「PRするネタがない」と感じることが多いでしょう。

しかし、PR会社としては「新情報がないとPRできません」と言ってしまうわけにはいきません。PR会社の仕事は、今ある情報をうまくメディアに紹介することです。


例えば、2024年の夏は猛暑となりました。メディアは猛暑に関する情報を探しています。ですから、暑さ対策の商品(例:ハンディ扇風機)などは、時流にあったコンテンツとして紹介されやすくなります。また、猛暑によって商売が繁盛した、あるいはその逆で生産が低下した……といった情報も、メディアにとって価値あるコンテンツとなるでしょう。


そこで、自社の商品やサービスを猛暑に関連付けてPRできないか…といったことを考えてみましょう。世の中のトレンドにあわせて既存の商品をうまく紹介することが大切です。


メディアは季節や時期によって取り上げるネタが決まっています。例えば、1月は受験、2月はバレンタインデー、3月は卒業式、4月は花見、5月は母の日、6月は結婚、7月は夏祭り、8月は夏休み、9月は敬老の日、10月はスポーツ・健康、11月は紅葉、12月はクリスマスといった具合です。


これに加えて、時事ネタを絡めて商品を紹介することで、メディアに取り上げられる可能性が高まります。例えば、猛暑を地球温暖化の観点から紹介するなどです。


メディアは常に自分たちが紹介したいネタに沿った情報を探しています。したがって、私たちが伝えたい情報を届けるのではなく、メディアが興味を持ちそうな文脈にのせて、上手く情報を提供するように心がけましょう。


このように、メディアに寄り添って商品のマーケティング戦略を考えることで、PR戦略が新たなマーケティング方策に繋がる可能性があります。


「PRネタがない」と感じるのは、自社の商品やサービスしか見ていないからかもしれません。メディアや一般消費者に寄り添うことで、ネタは意外と見つけやすくなるのです。


いかがでしょうか?このように考えると、PRのネタを考えるのは、それほど難しいことではないですよね!それでも自分たちではなかなか見つけられないという方は、PR会社と一緒に考えてみてはいかがでしょうか。自分たちでは思いつかないような面白いアイデアが出てくるかもしれません。

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少し前に、東京都知事選での、石丸伸二候補のSNSでのPR戦略について解説をさせていただきました。何かと話題のあった選挙戦でしたが、今回はポスターの問題についてPR会社の視線でお話しできればと思います。


今回の都知事選の掲示板を選挙目的でなく、PRの媒体として販売した政党があり、それを自分のPRとして利用した方がいました。法の網の目をかいくぐった……と言ってしまえばそれまでですが、ほとんどの人が彼らの行動に違和感を覚えたのではないでしょうか。


一般的に、私たちは、現在の社会を変えたいという強い意志をもった人こそが選挙に立候補するものだと思っています。ましてや、選挙後にほぼ没収されるのが確実な300万円の供託金を払ってまで、単に目立つためだけに立候補するというのは、やはり世間の常識から大きく外れていると言えるでしょう。


今回のポスター事件は、SNSが発達した副産物であると解釈できるかもしれません。SNSの利用者は、自分の投稿に関心を持ってもらうためにあらゆる方法を駆使します。その一つの策として、ポスターを掲示してアクセスを促すというのは、現代社会では斬新な方策といえるかもしれません。


PR会社を経営する自分も、よくこんなことを思いついたなと思った一方で、こうしたアイデア力を、もっとより良いPR方策に活かせるのではないかとも感じました。


もし、今後も選挙掲示板がPRのための媒体として活用することが許されるのであれば、今後さらに思いもよらない施策も登場するでしょう。ただし、それは法令を遵守する前提がなくてはならず、かつ市民が不快にならないものでなければなりません。


また、見るに耐えない政見放送を展開した候補者も散見されました。WebやSNS経由での情報発信が主力になったとはいえ、テレビの影響力もいまだに大きなものがあります。公共の電波に乗せて、5分30秒もの時間を完全に自分の好きなように独占できる機会は、他には考えられません。もし広告費用で換算したならば、数千万円規模となるでしょう。彼らにとって、300万円は高くなかったのかもしれません。


いろいろと物議をかもした都知事選ですが、こういうことで話題になるのはやはり望ましい状態ではありません。今後は、もっと立候補者が本当に知事としてふさわしい人物かどうかを有権者に効果的に伝えられるような広報を行うようにしてもらいたいものです。


選挙は、民主主義の根幹にかかわることですから、候補者の主張が都民に平等に公平に正しく伝わることが何よりも大事です。また、自己アピール目的のみで立候補する行為は、社会にいたずらに混乱を招く結果にしかならないので、今後は立候補の手続きをより厳正に実施する必要があるのかもしれません。


このあたりの論議は私のようなPRコンサルタントではなく、国会議員を始めとしたなど立法の専門家にゆだねたいと思います。

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今回は、PR会社に依頼する際の費用についてお話しします。このブログでは、PR戦略や企画を考えるならPR会社に頼むのが一番おすすめだとお伝えしていますが、費用がどれくらいかかるのかわからず、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。


広告の場合、定価があり、ある程度の金額目安がわかります。最近のWeb広告は事前に費用を設定できるため、予算オーバーの心配がありません。しかし、PRには定価がなく、内容によって費用が変わるのが一般的です。


例えば、欧米の大手PR会社が大統領選挙や国の政策キャンペーンなどを手掛ける場合、数億円もの費用がかかることがあります。正直なところ、私たちの会社がそのような大規模な案件を引き受けて、数億円の見積もりを提示するのは難しいです。たとえ依頼があっても、自信がないのでお断りするでしょう(心は揺れますが/笑)。


PR会社の立場からすると、できるだけ費用をかけてほしいと思う一方で、実態に見合った費用を支払っていただくのが理想です。見合った費用の考え方は主に2つあります。


効果に対する報酬

PRの効果を測定し、その結果に応じた報酬額を支払う方法です。具体的には、広告換算や売上増加などの指標を使って評価します。成功報酬型でPRを依頼する場合、この方法が適しています。


業務内容・作業量に応じた費用

相談や打ち合わせなど、PR業務にかけた作業時間に基づいて費用を支払う方法です。コンサル費用、企画費用、リリース作成費用、配信リスト費用など、費用名目を決めて見積もりを提出します。こうすれば、時間管理ができ、費用に見合った作業が可能です。


実際のところ、弊社の場合、成功報酬型での依頼はほとんどなく、業務内容に応じた費用での依頼が主流です。ただ、受注後に想定以上の業務が発生し、見合わない仕事になることも多々あります。そのため、単発の依頼よりも継続的な依頼の方が効果的で、業務効率も図れます。


結論として、PRにいくらかけるべきかという疑問に対しては、まずは効果を期待するためにどれだけ支払うべきかを考えてから予算を組むことが重要です。予算内でできることを相談し、効果が出たら徐々に予算を増やし、PR会社に依頼する内容を充実させていくというやり方が賢明です。


また、PRは内容によって料金が変わるので、予算を率直に伝えて相談するのも一つの方法です。予算の範囲内で対応できるサービスメニューを示してくれるはずです。


以上が、PR会社に依頼する際の費用についての考え方です。疑問や不安があれば、ぜひお気軽に相談してくださいね。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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